久々に読みましたよ!!
今回は近々公開される話題の映画「悪人」の作者・吉田修一さんの著作。。。
さてさて…
感想に行く前に…
妻夫木くんが自ら出演を強く望んだという「悪人」について、一言!!
映画の宣伝では、自分をバカにした女性を心ならずも手にかけた…的な表現だったけど。。。
ホントにそぉ〜か?
あの主人公…根っからの「悪人」だったでしょ?
たまたま、人の目に立たず、成人し、「普通の人」として生活してただけで…出会い系サイトでたまたま知り合った女が、彼の中に眠ってたものを呼び覚ましただけでしょ?
ただの「悪人」のお話だと思ってたけど、妻夫木くんが演じるとなるとずいぶん表現が柔らかくなるんだなぁ〜と。。。(-_-;)
実際に映画はどう表現してるのか…宣伝CMと内容はイコールでは無いからねぇ。。。(^_^;)
宣伝通りなら、きっと「つまらない」映画になってると思う。。。(-.-)
では、感想を!!
主人公の名前はズバリ「横道世之介」
彼の40年の人生の中のたった1年の出来事を綴った小説…
世之介が大学進学のために上京してからの1年間。
彼にとって、将来の糧となる「写真家」への道に出会うまでの、なんだか緩〜い日々を語ってるんだけど…
世之介の緩さが心地いい!!
当時、世之介と時間を共有した人達の「その後」も語られ、読んでるこっちは「世之介は死んじゃったのかなぁ」と予想させる。
もうずいぶん前になるけど、山手線の新大久保駅で、線路に落ちた人を助けようとして亡くなった人がいたよね…
1人は韓国人留学生、もう1人が日本人カメラマンだった記憶が…
世之介は彼と同じように「カメラマン」として、線路に落ちた人を助けようとして亡くなった…
お話の最後に世之介のお母さんの手紙がある…
実際に起きたあの「事故」の後、世間では様々な意見があったと記憶してる。
単なる「美談」ではなく、多少の非難もあったように思う。。。
それぞれに納得できる部分はあったけど…
実際のご遺族の思いは最後のお母さんの「手紙」に集約されてると思った。。。
取り立てて、飛び抜けたとこがあるわけでもない「世之介」を思い出す時、みんなの心が和らいでいく…
「普通」の中にある確かな「凄さ」を世之介はもってたんだなぁ〜!!