今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ディア・ドクター


今さらですが、「ディア・ドクター」を観た(^^;


以前「扉をたたく人」という静かな感動に浸れる作品を紹介してくれた「都民劇場」の映画鑑賞会で、今回はこちらの上映でした(^^)v


公開当時から笑福亭鶴瓶さんの演技が話題になって、マスコミでもたくさん取り上げられていましたが、へそまがりの私は、鶴瓶トークが1番とか言って、観なかったのですねぇ…(^^;


っていうより、近場の映画館でやってなかったし、西川美和監督の原作(この場合、原案かな…)は良かったんだけど、「ゆれる」を超える衝撃は無かったわけで…


まぁ、タイミングが合わなかったということかな…


鶴瓶さんのイメージを上手く作品に取り込んで、説得力のある滑り出し…


患者の家族に嘘をつくため、結局"ニセ医者"を放棄して、姿を消すあたり、性根は優しい"ニセ医者"だったのだと。


先日、2〜3年のつもりで僻地医療に携わり、気づくと引退まで根を下ろしてしまったという医師の方へのインタビューが新聞に載ってた…


映画の中でも村長さんが「バチが当たるかもしれないが、神様仏様より"先生"だ!!」って言ってる…


まさにそうなんだろうなぁ。


命を左右する大病ならば嫌でも町の大病院に足を運ばねばならないけど…


せめて、日常生活の中で対処できるなら、近くの先生に診てもらいたい…それは誰だって同じ。


山あいの村ならなおさら…


だから、患者さん達の生活が見えるほど近い存在になってしまう"先生"はいつの間にか、そこにいることが当たり前になってしまい、優しい人であればあるほど、区切りのつけ方が分からなくなってしまうんじゃないのかなぁ。。。


すべて抱え込んで、大変なお仕事だよなぁ〜


さてさて…


原案となった監督の小説に数行だけど、多分「ディア・ドクター」の"先生"を暗示させる文章が出てくる…


職を転々とし、今は僻地医療に携わっている…


という文章(うろ覚えなんだけど…)で紹介された人物こそ、鶴瓶"先生"だよな、きっと(^^)d


西川監督の作品は他に「ゆれる」しか観たことはないけど、登場人物達の日常に寄り添いながら、ある"事件"を追いかけていく…大作には出来ない視点で丁寧に事件の顛末を描いていくところは、ふと私達の身近にも「あるかもしれない」と思わせる…


だから、ずっと印象に残っていくんだろうなぁ…


2時間を超える作品だったけど、あっという間だった(^^)d


最後「へそまがり」の私が印象に残ったシーン…


ラスト近く、研修に来ていた若い医師(瑛太)が荷物をまとめ、先生が出奔した後の診療所を出ていく場合…


「ニセ医者」を逮捕立件したい刑事から事情を聞かれ…


彼は「最初から怪しかった…」と発言する。。。


現代っ子だなぁ〜(^^;


ついこの前までは、村人に慕われてる"先生"こそ、本当の「医師の資格」を持つ人だと心酔してたのに…


「ニセ医者」だと分かったら、手のひら返すような発言。。。


髪型も服装も今時のお兄ちゃんの姿で登場したのには、こういう伏線があったのね。。。(^^;


西川監督にしてやられたって感じです!!


遅ればせながら、観て良かった!!


「都民劇場」様。。。ありがとうございます!!