楽しみにしてた「小川の辺」
おじいちゃん、おばあちゃんでいっぱいの劇場で、ドキドキしながら、観てきた!!
おじいちゃんやおばあちゃんがいっぱいだから、喋ったり、バリバリ音をたてたりするんじゃないかと思ったら、全然!!
現代劇や洋画には喋る隙があるんだろうか…
時代劇では、咳1つせず、真剣に見入ってるのが、空気を通じて伝わってくる…
やっぱり、おじいちゃんやおばあちゃんは時代劇が好きなのだ(^-^)v
そして、私も時代劇、大好き(^-^)v
ヒガシの出演した藤沢作品は「山桜」に続いて2作目…
同じ監督さんからのご指名だったそうです!!
この度も、素敵でした。
藩のため、家族のため、厳しい選択を迫られ、でも、静かに全てを受け入れる…
映画の題材になってるのは「海坂藩」だっけ?
ちょっとうろ覚えなんだけど、藤沢作品の中で、その藩のお話だけ抜き出した短編集があったなぁ…
この藩は静かにまっすぐ生きている人ばかりなのに、映画の題材にこと欠かない忙しい藩でもある(^^;)))
ヒガシは着物の着こなしがまた美しい。
これからの時代劇俳優って感じよね。
映画では、仕事人の「渡辺さん」のようなコミカルな姿は見られないけど…
それはそれ。。。
ヒガシは簡単に一喜一憂せず、静かな表情をくずすことはない。
それがまた良い。
妹役の菊地凛子さんは日本髪がちょっと難しい感じだったけど、兄に対抗意識を持つ勝ち気な妹役としてはぴったりだったかな…
そして、子供の頃から作之助の側に仕えてきた新蔵を勝地涼君が、これまた好演!!
彼も自分の身分をわきまえながらも作之助を慕い、田鶴を好いていく…
好いた者同士が添い遂げられない時代に、親の決めた縁談で、兄の友人に嫁ぎ、夫の出奔に付き従い、妻として、兄に刃を向ける…
凛子さん演じる田鶴の置かれた苦しい状況は、もう時代劇を観ない若者には理解されないのかな…
上意に従い、田鶴の夫の命を絶った作之助…
妻として、兄に刃向かった田鶴…
作之助が万が一田鶴に手をかけることがあったらと刀の柄に手をかけていた新蔵…
三者三様の思いの中で、作之助は子供時代の出来事を思い出し、新蔵に田鶴を任せることにする。
去り際、姿勢をただし、新蔵に頭を下げた兄としての姿が印象的。
そして、この作品はなんといっても、作之助の妻であるきくを演じた尾野真知子さん!!
武家の妻として、けっしてでしゃばらず、ただただ静かに夫に寄り添う。
作之助の両親はきくを信頼し、きくもまた両親の思いに心を添わせる…
この家はこうしてまた静かに新しい1日を迎えていくんだろうなぁ…と
連れ戻したところで、田鶴にとっては幸せな日々など期待できるはずもなく、覚悟を持って、旅に同行した新蔵に田鶴とその将来を託す方が2人のためにも良かろうと1人帰途につく作之助の後ろ姿がなんとも言えなかった…
派手な仕掛けもないし、派手な立ち回りもない…
武家の日常を淡々と描き綴っただけなのに…
観終わって、余韻に浸れるって、やっぱり時代劇の魅力の1つだと思う。