「ファントム・ピークス」の北林一光さんの著作です!!
「サイレント・ブラッド」北林一光(角川文庫)
以下、感想…
「ファントム・ピークス」で、私的には久しぶりに衝撃を受けた作家の北林一光さん…
若くしてこの世を去り、彼の才能を惜しんだ友人達の後押しで上梓された「ファントム・ピークス」
今作は、最後の作品なのか、あるいは、遺品から見つかった原稿なのか、文庫の最後にありがちな「解説」が無いので、正確には分かりません。
「サイレント・ブラッド」という言葉は、なんかの熟語?
「血」のなせるワザ…
途中、超能力で透視とかする婆さんが出てきたりするので、確かに興醒めなところもあるんだけど…
山の描写は、ホントに細かくて、そこまで詳しく説明しなくても…って思うほどページを割いてくれてるんだが、私には、もともと想像力が欠如してるのか、発想のセンスが無いのか、説明が詳しくなればなるほど、思い浮かぶ「風景」が普通になっていく…
だから、今回はかなり苦しい思いをしながら、読んでた。
まず、主人公はどこにでもいる大学生の男子!!
ある日、なんの前触れもなく、父親が失踪する。
何の手がかりも無かった主人公とその母親に、父親が乗っていたと思われる車が見つかったという連絡が入る。
車は予想もしない場所から見つかり、主人公は全ての決着をつけるため、現地入りをする。
ここから、話は大きく広がっていく。
現地で、主人公は父親と会ったことすらない祖父の生きざまを知り、最終的には父親の死を確認する。
父親を巡る驚くべき過去に、読者は振り回されることになる。
けして、愉快ではない父親の過去を主人公はしっかりと受け止め、自らの「運命」を感じとる。
「血のなせるワザ」
ちょっと重いお話で、けして、面白くはないけど、「ファントム・ピークス」同様に映像的なお話。
でも、今作は映画じゃなくて、連続ドラマ向き!!絶対に!!