今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

戦火の馬


一応、物語の舞台は戦場なので、それなりの戦闘シーンを予期しておりましたが…


馬に乗って、戦場に立つ時代の戦闘シーンだから、そんなに激しくもないし…(((^^;)


そんなとこで、勝負する映画ではありませんでした!!


予告編を見た印象だと、戦馬ジョーイと彼を育てた青年との物語なのかなって感じだけど…


お話の出発点は確かにそこなんだけど、軍に徴用されたジョーイが青年の元を離れ、様々な人と出会い、戦場を駆け抜け、有刺鉄線にがんじ絡めになり、身動きが出来なくなった場所は、戦場の最前線であるイギリス軍とドイツ軍の中間地帯…


両軍ともに、戦場の緊張感の中にあって、戦地を駆け抜け、傷だらけになってもなお、生きるジョーイを「奇跡の馬」として助け出そうとする…


ジョーイを助けるまでの僅な「休戦」


息を呑んで見守る味方をよそに、イギリス軍とドイツ軍の兵士がそれぞれ1人ずつ、ジョーイの元へやってくる。


ただ、ジョーイを助けたかっただけのイギリス軍の伍長は有刺鉄線を切るカッターも何も持たず、白旗だけを握り締めてジョーイの元へ…


そんなイギリス軍の伍長を見て、自らカッターを手に近づく、ドイツ軍兵士…


さらに、彼は味方を振り返り、伍長のためにカッターを要求。それを聞いたドイツ軍兵士達は、姿こそ見せないが、劇場に笑いが起こるほど、たくさんのカッターを投げて寄越す。


戦場を舞台にしてはいるが、なんとも爽やかな兵士達の交流が画かれる。


こうした「奇跡」を積み重ね、ジョーイはイギリス軍兵士達の基地にたどり着く。


ここまで、「奇跡」が続くと、「嘘臭い」と見る人もいるだろう。


この後、更なる「奇跡」が待っているわけだから…


しかし、ジョーイの旅や兵士達の交流はすでに十分奇跡的な物語だし、これは、戦地を舞台にしたファンタジーだと思えば、これほど胸が熱くなる映画はないだろう。


軍医の元へ連れてこられたジョーイは、すでに治療の施しようもないと判断され、兵士達の目の前で、今まさに銃殺されんとする、その時…


ジョーイを育てた青年の鳴らす「ほーほー」と言う音が聞こえてくる…


やりすぎぐらい、出来すぎの「奇跡」の連続は、本作の原作が児童文学であるということにも起因するんだろうなぁ。


でも、こうした人の善意に立った「奇跡」の物語に心を震わせる時間を持ったっていぃじゃないかっ!!


素敵な映画だった。


ただし、超「現実」を求める人は観ないでね(((^^;)