今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

地層捜査


佐々木譲さんの新作をやっと読みました。


佐々木譲さんの小説に出てくる警察官は休職中とか謹慎中が多くない?


ということで…


「地層捜査」佐々木譲著(文藝春秋)、以下、感想(^_^)v



















面白かった(^_-)


佐々木譲さんの警察小説には、あまりハズレは無いよね?


まぁ、好みの違いはあるけれど…


今回の主人公は、警視庁刑事部捜査一課の若い刑事さん。


確かに少しは、期待されてる人なのかもね!!



なんと、管理官にダメ出しをして、謹慎を食らった意外に気骨のある男(^-^;)


彼の力量を惜しむ上司の計らいで、当面本庁を離れ、「特命」に異動になる。


まぁ、右京さんみたいっ(^o^)


時効撤廃の法改正を受け、15年前に四谷荒木町で起きた殺人事件の再捜査に駆り出される。再捜査の理由が笑える。地元で都議を4期勤めて引退した名士が、地上げに絡んだ殺人事件の重要参考人かのごとく、噂されるのが不愉快であると申し出たから…


現実の世界でもこんな笑える理由で国家権力が発動されちゃったりしちゃうんだろうね(゜〇゜;)


で、事件当時、所轄にいて、捜査本部にいた既に引退した刑事が、相談員という立場で相棒に…


彼らは彼らのやり方で事件を洗い出し、なんと担当事案の陰に隠れていた事件まで、掘り出すことになる。


若いやり手の捜査員なのに、どこか空気が読めなくて、休職扱いになったり、謹慎しちゃったりする主人公が、佐々木譲さんの描く警察には多い気がする。


確か「廃墟に乞う」も状況はぜんぜん違うけど、お休み中だったよねぇ…


忙しいシビアな毎日を送る刑事が、自分を取り戻すために与えられた時間の中で、結局、いつも以上にタフに事件に切り込み、自分はどこまでも警察官なんだと自覚せざるを得ない現実に行き着く。


そんな小説だ。


佐々木譲さんの警察小説が好きなのは、そういうとこが、自分の好みだから…


あれっ!?


「廃墟に乞う」って、映像化の話が無かったかしら?この「地層捜査」も十分あり得る!!