初めて手にした帚木蓬生さんの著作!!
大変でした(^-^;
「日御子」帚木蓬生著(講談社)
以下、感想…
540頁、厚さにして4?はあるかと思われる「超」ではない、「長大作」!?
通常「卑弥呼」という漢字で認識している「日御子」
「邪馬台国」と認識している国名も字は違う。
あんまり歴史を知らない私は、虚と実の違いが分からなくなる…
小説家による独自の観点から描かれた日本の歴史…卑弥呼はどんな人だったのか…そんな思いに帚木蓬生さんはなかなか答えを出してくれない。
だって、タイトルを飾る「日御子」様が出てこない…登場しない主人公…
結局、お話の半分過ぎ頃にやっと登場した彼女は、確かに天才的なリーダーシップを発揮し、乱立する国々をまとめた大きな功績を残したが、果たして、タイトルに相当する主役だったかというと首を傾げたくなる。
だって、最終章を待たずに天寿を全うしてしまう。
これは、「日御子」を語る小説ではなく、「日御子」の時代を語る小説なんだ。
「日御子」の登場前の日本、「日御子」が王として君臨する時代、 そして、「日御子」が去ったその後の日本。
その語り部は、海を渡り、朝鮮半島をはじめとする海外への交易に際して、通訳として漢語を訳す「使繹(本来は言ベン!!)」の一族。
倭国の中心は、時に従い、移り変わるが、使繹の一族は、それぞれの国に分かれ住み、それぞれの場所で同じ掟を守り、使繹の勤めを果たしながら、自らの使命を全うする。
その時代、国政の中心にいた使繹の目を通して語られる物語。
その視点がぶれることは無く、「日御子」の崩御に際しても、語り部の使繹は日御子の命を帯びて、海を渡っており、直接見聞きしていないので、あっさりと語られるにすぎない。
「日御子」というタイトルより、「使繹の掟」というタイトルの方が合ってるぞ(^_^;まぁ、インパクト無いけど…
人を裏切らない
戦いを挑まない。
あと…もう1つ、なんだっけ(>。<)
この使繹の掟が為政者にも聞き届けられて、それに倣った君主が統治する国は、天の目に映り、天に守られる。
今の時代にも十分通じる使繹の掟…
歴史大河小説というより、人生訓のようなお話だった。