ガリレオ・シリーズなので、読みました!!
以下、感想…
加賀恭一郎シリーズとかガリレオ・シリーズが立て続けに出版されたことは知ってたけど、東野圭吾さんの小説は、まず自分で買ってまで読もうと思ってないし、失礼な言い方だけど、またドラマか映画になる時の参考までに読んどきゃい〜や…くらいにしか考えてない。だから、ひとまず図書館に予約し、あんまり順番がまわってこなければ、予約自体をキャンセルしちゃうので、どんなタイトルの本を読もうと思ってたのかも定かじゃない(x_x)
だから、図書館からわりと早く連絡が来た時は、誰の小説かも分からなかった。
あはははは(^-^;
で、読み始めても、なんだかのんきな夏休みの話で…
少年が電車の中で偶然出会った男が湯川学だとは思いもよらなかった。
男の名前が判明するまで、この小説がガリレオ・シリーズだと気づきもしない…そんなアホな読者の感想です(>.<)
今回は、草薙と湯川は電話連絡を取りながら、それぞれの場所で真実に迫っていく。
謎解き部分は、なんだかまわりっクドくて、正直本を閉じてしまいました。
最近の小説は、こういうの多いよねぇ…
謎をそんなに完璧に読者に伝える必要があるんだろうか…
まぁ、とにかく事の発端は、16年前の殺人事件。
その事件を闇に葬ったために、16年後、何の悪意も無い善良な人が殺されてしまう。
殺した側の論理としては、敢えて平穏だった物をまたひっかき回されたくないという思いがあったのかもしれない…でも、それで人を殺してしまうなんて、どんなに悔やんでいたとはいえ、どんなに懺悔しようと、人殺しは人殺し…
16年前の殺人事件の真犯人にそんな思いがまるで感じられない…無我夢中で包丁を握り、無我夢中で人を殺めた…
でも、生きている…
見ず知らずの人が自分の罪を庇い、長いこと刑に服する。その間、彼女は何をしていたのか、文字の上では、そんな苦悩など全く感じさせない…
16年後の新たなる殺人事件が自分にかかわる原因で起きてしまっても、彼女は何もしない…
ただ、座して悩むだけ…そして、真実を探り当てたガリレオに「自分も罰を受けなければならないのではないか」と問いかける。
問いかけてるんだよ!!自分でケリをつけようとせず、答えを他人に問いかけてるんだ、この女(ーー;)
これは、なんでもあやふやに過ごし、過去の過失を省みない息子達に、せめて真実に目を向け、今出来る償いを考えさせたかった父親が殺されてしまう。
あれは加賀恭一郎シリーズ…
今回は真実に背を向け、一切を心に留め、殺人の記憶を封印し、生き延びる。
事件もバックボーンも全く違うけど、対極にある気がする。
そして、今回の事件、何も知らない少年に自覚のないまま、殺人の実行を委ねた大人の罪は、どうなるんだろう。
少年の心に傷を残したくないという聞こえの良い理由で、大人達は一生嘘をつき続ける。
でも、その嘘のおかげで、真実を知らずに苦しみ続ける遺族がいる。
「正義」を振り回すつもりは無いけれど、せめて、小説の中くらい、真実が揺るぎない世の中であってほしい。
何も分からないと思って、殺人の手助けを少年にさせた叔父は、どの程度心が痛んだのだろう。なんだか、これは復讐のような気がする。
自分の子だと疑わなかった娘が、ある日実の子でないと知ったときの慟哭…誰にも言わず、心の奥底に隠し続けた悲しさ…一切を黙して妻となった女への失望…不実の子という真実を隠すために行われた殺人…娘の将来を考え、身をなげだした実の父親…
そして、全てをひた隠し、生活を共にしてきた妻と娘…
父親はどれだけ疎外された存在だったのか…
それなのに、最後はその娘を庇うために殺人を犯す。自分1人でやり遂げられないのなら、手を下すべきではないのに…妻の弟の子の手を汚した。
みんな、卑怯だ(`_´)
父親も母親も娘も、そして、実の父親も…
「真夏の方程式」なんてタイトルは似合わない。「卑怯者の方程式」だ!!