別に冒険譚が好きとか、海洋物が好きとか、あるいは漂流物(もの)が好きとか、そういう趣味があるわけではないが、「ライフ・オブ・パイ」を観た時にあまりの美しさとあまりの不気味さを併せ持つ「海」をそのまま映すのではなく、物語の舞台として描き出す映画監督の感性に打ちのめされちゃったワケだ(^_^;
「ライフ・オブ・パイ」のアン・リー監督はアカデミー賞で監督賞を受賞したけど、まぁ今回は「アルゴ」問題が騒ぎ立てられたので、アン・リー監督が受賞したことがあまり話題にならなかったでしょ?
ストーリーで、観客の心を掴むのか、あるいはその映像美で心を掴むのか…
「海」を舞台にすると、そのどちらもがハイレベルで融合しないと「海の物語」にならないと思うのだ。
だから、今回の「コン・ティキ」がどんな風に味付けされているのか、とっても気になった。全く別人の描く「海」が!!
それにこちらは学者の学説を証明するために計画された本当にあったお話の映画化なのだ!!
若き地質学者の唱えるポリネシアン達の先祖の渡来の真実は誰にも認めてもらえない。それを認めされる為の100日間の船旅…いやいや、船じゃない「筏」旅(・_・;)
もちろん、筏とはいえ、あの簡単な物じゃなく大海原を行けるほどの大型筏なんだけど(^_^;
でも…「ライフ・オブ・パイ」を観ちゃってるし、あれを越えるのは難しいだろうなぁと…
内容に関しては、信念を曲げることなく、海に飛び出した男の生き様の物語を観に行くくらいの軽い気持ちで、そんなに期待を持って出かけたワケではなかった(^-^;
ところが、ところが!!
とんでもなく熱く、とんでもなく美しい映画だった(^_^)v
寄せ集めのような男達のそれぞれの思いと駆け引き…簡単にではあるが、ちゃんと描かれてたし、様々な苦難を乗り越えることでかけがえのない結びつきが生まれたり…
どこか青春映画の色合いを感じた。
さらには、海で出会う苦難と喜び…
ハラハラドキドキしては身を乗り出し、胸打つ場面は感動の声をあげそうになって、慌てて口をつぐんで…
完全にお話の世界に引き込まれてしまった。
良かった(*^。^*)
観に行って、ホントに良かった(*^。^*)
ちょっくら、お勉強にもなったし!!
エンドロールで乗組員6人のその後が紹介されていた。
みんな、海に関係してたり、冒険を続けてたり…
そりゃあ、あれだけの経験をしたんだから、そこを離れたとしても、普通の日々で満足はできなかったろうなぁ。
素晴らしい映画でした。
ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドペリ…この名前、頭の隅にでも覚えておかなきゃ!!本作の監督だ(^_-)