今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

偽りの人生


TOHOシネマズ・シャンテにて鑑賞。TOHOシネマズデーだからなのか、公開直後だからなのか、はたまた作品の評判が良かったのか、場内はほぼ満席で早い時間にチケットは完売(゜o゜;


通常は通路側の席を取るのが私の第一選択肢なんだけど、全く思い通りにはいかず、驚き(*_*)


そして、なんと偶然ながら、Twitter仲間の映画通の先輩と同じ回を鑑賞してたという…(^_^;


主人公の男は双子の兄から離れ、都会で医師をしながら、妻と2人、なに不自由なく生活している。


ところが、彼らに子供がいないことが夫婦に微妙な距離を生んでいく。妻は養子をもらい、家族3人で暮らすことを望み、実際に養子縁組みする赤ん坊と面会するまで事を運ぶ。


妻が、家族の生活にこだわればこだわるほど、夫である主人公は違和感を覚えていく。


そして、子供を望まないことを妻に告げ、2人の溝は決定的なものとなる。


ちょうど、その頃、川を生活路とする故郷から兄が訪ねてくる。兄は、自分の余命が短いことを…


実は、妻との関係に決定的な亀裂が入り、妻が家を出た辺りから、兄が訪ねてくるクダリまで、あまり覚えていない。


というのも、なんだか、単調な話の流れで、特に入り込めるような状態になく、何度となく、寝落ち(x_x)ヤバいっと思っては、目を覚まし、またコックリの繰り返し(^-^;)


ハタとスクリーンに目をやった時、弟が湯船に浸かる兄を押さえつけていた(゜o゜;


そして、湯に沈む兄を観た瞬間から、眠気は吹っ飛び、やっとお話の世界へ…(^-^;


弟は兄と瓜二つな事を利用して、兄に替わって、故郷に帰る。


これまでの都会での暮らしと決別し、妻と離れ、兄の名を借りて、静かな田舎での新しい暮らしを手に入れる。


しかし、この地で、兄は兄で問題を抱えて生活していたのだ。主人公はそれらを引き受けながら、偽りの生活を送り始め、そこで、真実の愛に出会う。


なんだか、自分の生活を捨て、手に入れた兄の生活は、かえって不幸だったようにも思うが、それでも1人の女性を愛することが出来て、彼にとっては心の充足という意味において、満足を得られたのだろうか。


彼は都会の生活ではあり得なかった、愛した女の為に命を懸けるという道を選択する。


都会の喧騒から隔絶された小さなコミュニティーの中の濃密な人間関係の中で、がんじがらめになっていく主人公は、兄が抜け出せなかったしがらみに絡め取られていく…


そして、愛する女と自由を得た時、彼は…


観終わった後、思い出したのは、国や登場人物の性別や年齢は違うけれど、「ウィンターズ・ボーン」「フローズン・リバー」「偽りなき者」 などの映画…


お話の舞台も全く違う映画だけれど、いずれも小さなコミュニティーの中で、起きる出来事を追ったものだ。


その地域特有の環境がもたらす「しがらみ」が大きくお話の展開に影響与える…


都会暮らしの長い私は、どちらと言えば、濃密な人間関係は苦手で、そうした中に長く暮らすことになったら、心のコントロールが難しくなるだろうなぁ〜と思う。


人間を描く時、お話のネタは小さなコミュニティーにこそ、多く隠されているのかもしれない。


しかし、地味な映画だから、正直寝不足の時は観ない方がよいな(^_^;


主人公がなぜ今の生活を捨てる気になったのか、なぜ年の離れた田舎の女に心引かれたのか、なぜ命も惜しまず、その愛に邁進できたのか…


その辺り、観てる側が納得できるような感触を得られない。なんか、消化不良な感じの映画…主人公は何がしたかったのかなぁ〜って。