主演のフィリップ・シーモア・ホフマンの遺作となった作品。
私、フィリップ・シーモア・ホフマン主演作を劇場で観るのは初めて‼
「裏切りのサーカス」と同じ原作者、ジョン・ル・カレの作品の映画化。
小説としては面白いんだろうけど、映画になると、おそらくスパイ戦がいよいよ本格化するまではヒリヒリとした緊張感ばかりが高まって、淡々と進む映画なんだろうと予想。
そして、予想のままに序盤は眠さとの戦い(笑)
なぜ、スパイ戦が始まるのか背景を語る間はホントに苦痛なんだけど、実際それが分かってないといざって時に、話の流れが分からなくなるから…
フィリップ・シーモア・ホフマン率いるチームが、様々な妨害をクリアしながら、やっと対象者を手に入れる段になった時、とんびが油揚げをかっさらっていくようにCIAが強引に登場する。
これはドイツを舞台にしたお話で、ドイツ国内に潜入したスパイと思われる人物の特定と把握は、フィリップ・シーモア・ホフマンのチームの仕事だけれど、彼らのその後の処遇は、拘束した部署によって様々だ。
1人のスパイの動向が、国の安全に大きくかかわっていく時代となった現在。
私達の知らないところで丁々発止の駆け引きが毎日繰り広げられ、最終的に対象者の身柄を拘束した部署によって、彼らの処遇も事態の収拾も全く違う結果となる。
映画の中の話だとはとても言いきれないような、リアルさが全編に溢れてる。
関係部署との腹の探りあい、協力者の取り込み、監視対象者の囲い込み…
この緊張感たるや…
終わってホッとした映画なんてそう無いわ(笑)
そして、様々なシーンで独特の雰囲気を醸し出すフィリップ・シーモア・ホフマンがもう見納めだということに深く傷つくラスト。
恐れ入りました。