この前、シャンテに行った帰りに有楽座の前を通ったら、物凄く人が並んでて、何を上映してるのかと見たら、「グレース・オブ・モナコ」だった。
多分、私より上の世代のおばちゃん連れ(おばぁちゃんに近い…)が多かったその行列。
きっと、グレース・ケリーの映画を見てた世代なんだろうか。
そういう事で、ちょっと気になって、お買い物で街まで出たついでに観てきちゃった。
まず、ニコール・キッドマンのグレース・ケリーはやっぱりなんか違う。
そして、劇中、何故かニコールだけ超どアップの連発。
主に泣くシーンとかね。大公である夫を助けるために、公妃としての言葉使いから立ち居振舞いを1から学び直した彼女が、カードにある言葉に即した表情を実際にやって見せるシーンがあったのだ。
多分、この時その表情をアップにしてた流れなんだろう。公妃として、毅然とした表情、公妃の立場を離れた1人の人間としての感情が現れた表情…
サブタイトルにある「公妃の切り札」は、彼女の見せる様々な表情ではなかったか…
目は口ほどに物を言い…ってね。
あのアップのシーンが気になる人にはちょっと大変かも。映画のストーリーよりそっちに目が行っちゃうもんね。
モナコの大公とハリウッド女優との大恋愛。互いの感情だけでは乗り切れない厳しい状況が2人を追い込んでいく。
広い宮殿の中ですれ違いの続く日々。思ったことをはっきりと口にするアメリカ的なグレースにとって、なんとも窮屈な毎日は彼女に女優への復帰を決断させる。
ところが、秘密裏に進めていた女優復帰の話が突然宮殿側からリークされてしまう。
誰が裏切ったのか…
しかし、裏切りはそれだけでは済まなかった。
モナコの国としての危機にまで発展していくフランスとの政治的な行き違い。
グレースは、崩れかかった彼女の足元を見つめ、きっぱりと女優への道を諦め、夫や子供と生きることを決める。
そして、様々な策略と圧力をかけるフランスのド・ゴール大統領を招いた赤十字主催のパーティーの席上、彼女はスピーチに立ち、堂々と胸を張って「幸せ」の大切さを訴える。
たとえ、自分の宮殿が戦火にまみれようと、爆弾が落とされようと自分はこの場所を離れないと。
満場の拍手を得た彼女のスピーチのためにフランスはそれまでの全ての圧力を引っ込めざるを得なくなる。
その堂々としたスピーチの源泉は、グレースが家族を守るために公妃としての言葉使いや立ち居振舞いを1から学び直したところにある。その過程で覚悟が出来上がっていったのだろう。
歴史上の出来事の隠されたエピソードとして、実際にこれに近い事があったのだろう。
現実は小説より奇なり…
お伽話の主人公が、現実を生きた証。
グレースが慣れない公妃としての生活の中で孤立していくのは理解できるが、その部分にも時間を割いているので、ラストのもっと大きな国と国との隠されたエピソードの部分が駆け足になってる。
もっと、そこに重点を置いてたら、また違った印象だったかも…
でも、まぁ、ラストのスピーチにはグッとくるところもあるし…
良いんだけど、中途半端な感じ。そこがまぁ残念。
エンド・クレジットでこの映画の特徴が…ヘアメイクとかメイクアップのスタッフの名前がズラーっと(^_^;)
最近流行りの映画のVFXとかのスタッフがズラーっと並ぶのとは好対照(笑)
メイクアップやヘアメイクってやっぱり人の手があってこそのもので、ある意味、アナログだから。
そんな面白い発見もありました(≧∇≦)b