今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ミンヨン 倍音の法則


岩波ホールにて鑑賞。制作協力が岩波ホールってことで、まぁ難しい映画かなっとは予想してたけど、全く予想通り(>_<;)


終映後、近くに座ってたおばちゃん連れの1人が「ちょっとぉ、結局、これ、どういう話だったのよ‼」って。


問われたもう1人のおばちゃんは、「私に聞かないでよ。ほら、そこら辺にいる人に聞いてみな‼」


当然、私は聞かれる前にダッシュε≡≡ヘ(*`∀´*)ノ


私だって教えてもらいたいくらいなのに…


朝から雨が降り、寒い1日。まさか、そんなに混まないだろうと思ってた。「菖蒲」の時みたいに10人くらいで観られるかと思ってたら、意外や意外。半分くらい埋まってる。


みんな、何を根拠に集まったの?


監督の佐々木昭一郎さんはテレビの人で、長編映画は初めてだとか…テレビで手がけた作品は話題になったそうだが、演出家としては17年ぶり(説明を読んだけど、定かではない記憶…汗)の復帰作だとか。


佐々木監督への興味から来場してる人も多いのかも…


しかし、私のように岩波ホールだから良作をやるだろうくらいにしか思ってなくて、ふらりとやってきた人(前述のおばちゃん達もね…)には相当ハードル高いって胸張って言えます‼


お話は、ソウルに住むミンヨンさんが主人公。大学在学中だそうだけど、翻訳や通訳の仕事で生活してる立派な社会人だ。


韓国の教育システムを知らないからなんとも言えないけど、とても高校卒業したばかりの大学生っていう雰囲気には見えない。


彼女の生活は音楽に満ちている。別に演奏家ではなさそうだけど、指揮者の人からは「素晴らしい声」の持ち主と呼ばれている。


父親の仕事の関係で日本に住んだこともあり、早稲田大学に留学生として席を置いたこともある。


そのため、驚くほど流暢な日本語を話し、日韓英の3カ国語を使いこなす。


彼女は、よく空想世界の中で思いを巡らせる。


たった1枚残された祖母の親友である日本人女性の写真。


日本に出かけた彼女は、写真の女性の足跡を追って行きながら、いつしか戦時中の彼女の人生を辿る。そう、それは彼女が見てる夢。


前半は、ソウルでのミンヨンの生活が描かれ、彼女がよく夢を見るのだと紹介される。


そう言ったネタ振りがあった上で、彼女が戦時中の祖母の親友の人生を生きるので、なんとか話についていける。


でも、なぜ彼女がその人生を感じなければならなかったのか。


現代で出会った留学生時代の友人や渋谷の街で出会った靴磨きの少年までが、彼女の過去の旅に同行する。


大学の友人は夫となり、靴磨きの少年は息子となって。


前世での出会いがあって、現代に繋がっているのかと思うような…


こういうの「黒四角」に似てるなぁ。なんだか、よく分からない展開の中で、かつて人生において触れ合った人々との邂逅。


理屈じゃなくて、もう超ファンタジーなのね。


ミンヨンは素晴らしい声を持ち、感性が磨かれているので、人より感受性が強くて、様々な出会いの中で、人の心の奥深くにある思いに気づけるということなのか?


私にはこれ以上の理解は無理╮(╯-╰")╭


しかも、特に山あり谷ありのテンポがあるわけでも無い2時間20分という長尺がとても苦しい。


せめて、あと30分短ければ、こんなに打ちのめされなかったろう。


最後の30分は「もう終わりだろう」という思いが徐々に増してきて、「終わり」と思ったシーンが次のカットになると「まだ続くのか」と溜め息が…


ホント、申し訳ないけど、その繰り返し( ̄▽ ̄;)


でも、不思議と寝落ちしなかったのだ。そこが未だに不思議。


ところで、現代のシーンで、留学生時代の同級生がジャーナリストになっていたけど、彼は組織に追われ、ついには暗殺される。


さらに現代の渋谷で出会う靴磨きの少年。


海外で暗殺される(取材に際して亡くなることはあったが…)日本人ジャーナリストって、ちょっと。それに靴磨きする少年が何人もいるのも…


後半のファンタジーを想定してなかったので、この前半部分の現実離れ具合が気になって、お話に入り込めなかった。


多分、反戦のメッセージが込められてる作品なんだろうなぁ。


そして、主演のミンヨンを始め、主要キャストは、俳優さんではないそうだ。だから、エンドロールでクレジットされるのは出演者の名前だけ。本名が役名のような…


だから、やっぱり、セリフは棒読みだし、感情表現においては、まさに素の反応がスクリーンにのる。これをどう思うかだな…


作りこんでなくて、瑞々しいと思うか、あまりに素の反応だから、表現に乏しいと思うか…


さぁ、あなたはどっち?