今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

アバウト・タイム 愛おしい時間について


まず、レイチェル・マクアダムスのとびきりの笑顔が強い印象を残すポスターとタイトルの副題「愛おしい時間について」という言葉から、この映画がラブストーリーだと思わない人はいないだろう。


レイチェル・マクアダムスという女優さんの持つイメージなんだろうけど、このラブストーリーはコメディの要素を持った作品なんだろう。そう思う人も結構いそう。


私はそう思ってたし、劇場に観に行くつもりなんて、さらさら無かった(笑)


その私が、いくつかのレビューで、予想を裏切る映画だったという感想を目にしたことで、ちょっと行ってみようかと…


日比谷のみゆき座からシャンテに劇場が変わり、来週からは夜1本だけになるみたいだから、このタイミングで行ってきました。


最初は、突拍子もない展開で唖然としたけど(笑)、なんとも暖かい家族の物語だった。


ちょっと変わった郊外に住む一家。彼らは日がな一日目の前に広がる海で遊び、たとえ雨が降ろうが、庭で映写機をまわして映画を見る。


父親は50歳の時に現役を退き、ひたすら読書の日々だ。古びた卓球台を挟んで息子と「世紀の一戦」を繰り広げるのを楽しみにしている。


そして、息子が21歳になった時、父親は、人生を左右する大切な話を切り出した。


なんと‼


これ言っちゃうと完全にネタバレなんだけど、このネタバレしないとこの先の感想も言えなくなっちゃう。なんとも驚きの展開なのだ‼


ここからは、ネタバレ含みます。折りたたむなんて技は私には使えないので、ネタバレ無しの場合はここでおしまいにしてね(^_^;)



























さて、さて。
父親が、息子の21歳の誕生日の餞に送った「真相」は…


我が家の男は、代々、タイムトラベルが出来た。しかし、それは過去に行くだけで、未来には行かれない。物置やトイレなど真っ暗になれるところで、両拳を握りながら、戻いりたい時を思い浮かべるとその場所に行けるのだ。


えっΣ(゚д゚;)なにこれ?


父親の告白を聞いた時の驚き。主人公の息子もとんでもない顔してたけど、私も同じよ。


その不思議な能力を得た息子は、一目惚れした母親と同じ名前のメアリーにアタックするために何度もタイムトラベルをする。


そして、彼女の心を射止めて、幸せな日々を送る。雨の結婚式のシーンがあのポスターになる。


そして、彼はタイムトラベルの限界を知り、かなりの綱渡りをすることになる。


その綱渡りの中で、父親と深く深く心を合わせていく。


悪い男と腐れ縁で別れられずにいた妹。些細なケンカが原因で、彼女は大怪我をするのだが、ただ単に怪我をしないようタイムトラベルして助けるのでは根本的な解決にならないことに気づいた彼は、メアリーと2人でひたすら妹を支えていく。


主人公たちの恋愛だけでなく、彼らを取り巻く家族、友人、それら全てが愛で結ばれていく。


愛にあふれた愛おしい時間がスクリーンにゆっくりと優しく流れていく。


大泣きするほどの感動作では無いが、ずっと心に暖かさが残る映画だ。


父親が死期が近づいた時、父子で誰にも知られないよう過去に戻って幼い日を楽しむ。新しい命が芽生えたその時、時間はリセットされ、それ以前に戻れなくなる。


息子夫婦に新たに子供が産まれることになれば、もう亡くなった父親に会いに行くことが出来なくなる。


ここで、息子は父に本当の別れを伝え、立ち去る。ここで、息子は初めて本当の意味での一人前の大人として、生きていくことになるのだ。


う〜ん…
私、バカなのか、新しい命が芽生えるとそれ以前に戻れなくなるということがどうにも理解できなくて、あたふたしてる間に、ラストの主人公の語りをサラッと聞き流しちゃった(^。^;)


でも、主人公は父との触れ合いの中で、暖かい時間の愛おしさについて深い思いを抱くようになる。同じ時間を2度繰り返せば、1度目は落ち着いて目を配れなかったことに気づいて、2度目にはより良い対処が出来ると…


それを2度繰り返せない私達は、ただ1度の時間を、それこそ愛おしく思って、大切に大切に過ごすこと。


なんだか、映画に教わった気がした。


ホント、ポスターの印象で安っぽいラブコメだとうっちゃらなくて良かった。


とても、良い時間を劇場で過ごせたわ‼