今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

天国は、ほんとうにある


世界でベストセラーになってるという原作を元に、天国に行った男の子の不思議な体験を映画化。


感動作だ、良い映画だと聞くものの、上映館はヒュートラ渋谷のみ…(悲)


おそらく、年内最後の劇場鑑賞になりそう。


今年は初めて年間劇場鑑賞本数100本を超えました\(^O^)/その記念すべき最後の作品がなんだか摩訶不思議な臨死体験のエピソードを追う映画だと言うのが笑える…(汗)


いきなり事件が起きるわけではなく、最初は、大きなキャンバスに瞳から書き始める少女が登場する。瞳は、青のような緑のようななんとも言えない色を帯びている。


この最初のシーンがのちのち「あぁ〜」ということになるので、困るよね(汗)


さて、本編…


誠実に仕事をこなすある田舎町の牧師。生活を切り詰めながら、街の人々に手を差し伸べていく。


そんな牧師一家の日常が淡々と描かれていく。何も起こらない彼らの生活に業を煮やした頃、事件は起きる。


盲腸をこじらせた4歳の息子が生死の境をさ迷う事に。人々の祈りに支えられ生きながらえた息子は、彼の手術中の出来事を見てきたかのごとく父に語る。


そして、彼は天国でイエスに出会ったと。


いわゆる、臨死体験のエピソードだ。しかし、少年は手術中も心肺停止することもなく、生きながら天国を垣間見たことになる。


そんなことは些細なことで、少年が牧師の息子だったということが大きな問題となっていく。


前半の家族ののんびりとした生活の描写に時間をかけ過ぎた感がある。お金は無くても、愛情溢れた家族だということを表現したかったのかもしれないが、そんなことに時間をとったせいで、臨死体験を語る息子を目の前にした両親の葛藤、父親が牧師の道を選択したエピソードなどもっともっとしっかりと触れた方が良い部分があまりにあっさり片付けられてしまい、結局、ラストの「愛、云々」が語られた時にはどうもうやむやにされちゃった感がハンパなかった。


ひとまず、息子を信じるに至った父親の思いやそれに戸惑う母親の不安定さは伝わってくるけど。「天国はある」という前提の元に観ていれば、それなりに感動するお話ではあるけれど。


今時、そんなに純粋に観続けられる人は少ないよ。私なんか、もし地獄に行っちゃってたら会えなかったのかなぁとか、これはSFか?とか…そんなことが頭を過ぎってたから(笑)


でも、その隙間に、生まれることが出来なかった赤ちゃんのお話とか、お祖父ちゃんの信仰の秘密とか感動エピソードはあるんだけど、どうも信じきれない人間が観てるとほんの一瞬で感動の時間が終わってしまう。


結局、キリスト教的な発想なのかな?私はキリスト教徒じゃないので、その辺はよく分からなかった。


原作本は普通にベストセラーなのかな?信者の中で多く読まれているベストセラー的な本ということなのかも。


一応、普通の映画館で上映してるので、キリスト教啓発映画では無いとは思うけど、なんか中途半端な…


そして、ラストで少年と同じような体験をした異国の少女が書いたイエスの絵が登場する。それは少年が出会ったイエスと同じ。映画の冒頭で登場したあの目の持ち主。


ラストは「天国はある」じゃなくて、不思議な体験エピソードみたいになっちゃって…


牧師さんがラストの説教で語る「天国」も「愛」がキーワードで、よく意味が分からなかった。結局は、その人の気の持ちようみたいにしか聞こえなかった。


もっと、ちゃんと分かってる人が観れば、もっと良い映画なんだろう、きっと。