出かけるついでもあって、電車に乗るので、その最中に読もうと思って借りた本。
図書館で予約無しで借りられた。
発刊直後は物凄い予約待ちだけど、しばらくすれば意外に簡単に読めるのは湊かなえさんの小説が分量的にちょうど良くて、回転が速いからだろう。
最近の小説は長過ぎる╮(•́ω•̀)╭
以下、感想…
タイトルから分かるように宝石にまつわるお話。短編が7篇、うち最後の2篇は連作小説だ。
場所がキーワードだった「望郷」と違い、今回は登場人物になんらかの関係性は無い。
単に「宝石」にまつわるエピソードが綴られていく。宝石といっても、私が物と名前が一致するのは初篇の「真珠」だけ(汗)
ブランド物も知らないけど、宝石もほとんど知らない。
ダイヤモンド〇カラットだと言われても、それがどれだけのものなのか全く分からないし、分かろうとする気も無い(汗)
だから、自分の誕生石も知らないし、それを知ったところでどうするつもりもないし、そんな物がどんな意味を持つのかすら分からない(笑)
だから、その宝石の持つ意味合いも分からないので、全く普通の短編小説として、読みました。
湊かなえさん独特の後味の悪い救いようの無いお話もあるにはあるけど、なかなか感動的なお話も多かった。
ラストの連作小説などは、偶然なのか運命なのか、人の結び付きの深さに深い感動を覚えます。
そして、いつも誰かのせいにして、人を羨む心、蔑む心、恨む心を昇華できない(消化…としたらまた違う意味になるかしら?)ままでは、本当の幸せに気づくことが出来ないのだと…
湊かなえさんの作品が持つ色合いが様々散りばめてある短編小説。
「ムーンストーン」は全編が中学時代にあがり症だった少女の独白だと思い込まされて、最後の数行であっという驚きがあった。
してやられた感を存分に味わえる。
ちょっとした時間を埋めるのにちょうど良い短編の数々。どれも面白くて、流石だわ、湊さんo(^o^)o