今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

天空からの招待状


6月14日に閉館が決まったシネマート六本木。


韓国映画や香港映画など他では観られないアジア映画を数多く上映してくれる映画館として、とても貴重な存在だった。


しかも、ミニシアターとしては珍しく4つもスクリーンがあって、試写会場としてもよく使われていた。


同じ建物内に配給会社があるからね。


詳しい事情は分からないけど、どこかでビルの賃貸契約が満了したって聞いたなぁ。韓流スターじゃあるまいし。契約満了って…


残念すぎ(泣)


既に閉館まではカウントダウンが始まりそうな残り3ヶ月の今。


前から気になっていて、なかなかスケジュールが合わなかった「天空からの招待状」をチョイス。


ホントは字幕版でナレーションを現地の言葉で聞いた方が良いかと思ってたんだけど、実際にはスケジュールの関係で西島秀俊ver.の日本語版ナレーションで観てきた。


観終わって、この選択が大正解な気がする。


空撮による息を呑むよう美しい映像。なんだか、妙に大袈裟で壮大な音楽。そこにハイテンションな中国語(台湾も中国語でしょ?)はどうだろう。その点、西島秀俊君の落ち着いたトーンの声はマッチしてた。


前半は、日本と同じ島国である台湾の素晴らしい風景が次々と。日本以上に山が多いようだ。国土の4割が山だという。そして、四方が海なのだ。だから、海に面した地域には切り立った崖が多い。


そして、後半には、その独特の地形に影響された様々な環境面でのトラブルが映し出される。「効率」を重視した結果招いたそのトラブルに目を瞑る人々。


それまで、積み上げてきた大地の恵が水浸しになり、崩れさった。


自然からの警鐘をいつまでも無視し続けることは出来ない。


そして、「効率」ばかりを追うのではなく、たとえ効率は悪くとも納得の出来る生き方を選び始めた人々の姿を見せて終わる。


ただの風景の空撮映画ではなくて、妙に感動してしまった。


日本でも、是非こんな映画を作ってくれないものか。既にあるかもしれない。ただ、日本ではこういう映画はウケないからとメジャーでは取り上げてくれないのかもしれない。


どうだろう。NHKあたりが一肌脱いで、「ダイオウイカ」とか「グレイトサミット」とかの取材班のチームで日本の今を空撮で「記録」してくれないだろうか。


そう、記録。


ただ、美しい風景の記録ではなく、現在の問題点も含めた風景の記録を。