昨年末に試写で観て、尋常じゃなく、心揺さぶられて…
シネスイッチ銀座にて公開中ということで、再度‼
流石に2度目の鑑賞となると、前半の淡々とした流れは少々退屈。何度か寝落ちしそうになり、慌てた(笑)
イギリスのとある町が舞台。お役所勤めの中年男が主人公。
彼の仕事は、孤独死した人の身寄りを探し、弔うこと。
故人の生活の現場に出向き、彼らが輝いていた時代を掘り起こし、遺族や宗教、物事の好みを探し出し、懇ろに弔う主人公の仕事ぶりは、経費節減を迫られた町としては負担にしかならない。
奇しくも、主人公の向かいの家に住んでいた男が亡くなった時、彼は解雇の通達を受ける。
向かいに住んでいながら、全く知らなかったその孤独な男の弔いを最後の仕事として、いつも以上に誠意をこめて執り行う。
彼の仕事は確かにいつも丁寧だけど、遺族やかつての友人を訪ね歩くことは無かった。ところが、最後の仕事はそれまでの枷を外して、出会った人に葬儀への参列を呼びかける。
いつもと違う行動は、いつもと違う結果を招く。
職場と家の往復、職場でも家でも毎日決まった生活、そんな彼が決まりきった日常を飛び出した時、新たな出会いが数多く待ち受けていた。
初めは良い返事を返さなかった人々が彼の誠意に触れ、動き始める。
そして、新しい日々の訪れが予感された時、それは突然にやってくる。
ラスト5分。
淡々とした中にもクスッと笑えるシーンがあり、主人公の誠実さに心打たれて進む中で、どんなラストが待ち受けているのか、ちょっと気になり始めた頃、唐突に訪れるラスト5分。
多分、この映画はずっと心に残るし、このラストはいつ観ても涙が流れてしまうだろう。
そうだ、まるで「ニュー・シネマ・パラダイス」みたいに。
もう少し、話題になって、ヒットしても良い映画だと思うけどな…