試写にて鑑賞。
新進気鋭の監督さんなんだって。全然、予備知識なく観たけど、普通に面白かった。
マサチューセッツ工科大学の学生が主人公。
彼はなぜか松葉杖をついている。事故で怪我をしたのか、一切説明は無い。
彼は大学の友人と一緒に彼女の引越しに同行している。
彼女はこれから1年間、彼と離れ他の大学に進むらしい。ここも説明は無い。彼ら3人の会話で読み取る具合。
そして、男2人は彼女に内緒でなにやらこそこそやっている。なんと、大学のサーバーに侵入したハッカーを追跡しているのだ。
旅の途中、主人公と彼女の微妙な空気が…
どうも、彼の杖の原因は病気らしい。定期的な受診と車イスでの生活が彼の将来に待ち構えているらしい。
輝く未来を約束された彼女に「行くな」と言えない彼の辛い表情。
なんだ?この映画?
SFって聞いたけど、ここまでは全くの青春映画だよ(汗)
追跡していたハッカーの居所が判明し、引越し先の途中にあることが分かって、立ち寄ることにしたところからお話は大きく動く。やっとSFの世界。
彼らがそこで遭遇したのは何なのか。最後まで語られない。最後の5分で全てが分かる仕組み。でも、そこにたどり着くまでも、映像で観せるだけで、各シーンの繋がり不明なところには全く説明が無い。
そして、度々主人公の観念的な映像が挟まれる。これから、足に障害を抱えていく彼が森の中を走っている。途中までは友人と2人で走っているのだが、いつしか1人になり、道は濁流がうねる大きな川に遮られ、彼の足を止める。
この何度か登場する映像は後々の展開に大きな意味を持っているのだ。
なぜ、彼がハッカーによって導かれたのか。その理由がこのシーンの奥底に…
SFなのに(こういう言い方が良いのかどうか…汗)、観念的な映像や風景はとても美しい。これだけなら、オシャレ系の映画だよ。
そんな不思議なミスマッチがなんとも印象深い。ラストの「え〜っ‼そうだったの?」ってとこは、もう既に何がなんだか分からなくなってるので、あまりインパクトが無い(汗)
でも、まぁ、テンポも良いし、映像キレイだし、面白いと思う。
ラストに明かされる全ての「理由」。最初、その意味が上手く理解できなかった。しかし、時間が経つと段々と見えてくる。なぜ、道は途切れたのか。なぜ、同じ道に戻ってくるのか。
なぜ、彼(主人公じゃない誰か)は逃げられないと悟ったのか…
なぜ、なぜ…観終わって、頭が整理出来て初めて全体像が見えてくる。
こんな余韻を残すなんて。 不思議…