今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

黄泉眠る森 醍醐真司の博覧推理ファイル


先日までWOWOWで放送していたオリジナル・ドラマ「闇の伴走者」の原作者である長崎尚志さんの小説。


ドラマで主人公の調査員をサポートするフリーのマンガ編集者・醍醐真司が、主人公として語られる「闇の伴走者」の続編だ。


「黄泉眠る森 醍醐真司の博覧推理ファイル」長崎尚志著(新潮社)


以下、感想…




















面白〜い(((o(*゚▽゚*)o)))


ドラマで醍醐真司の風貌を見てしまっているので、ちょっと小説とはイメージが違ってたけど、非常に大柄であるとかの部分ね、でも十分楽しめました。


ドラマの醍醐真司は古田新太さん。妙に博識でオタクっぽいくらいのこだわりようなんかは、古田新太さんがとても上手く演じてたんだなぁ…


小説を読みながら、場面毎にイメージが湧いてくるけど、そこに古田新太さんがぴったりハマってる‼


そんな、古田さんの手助けもあり、編集者と漫画家先生とのやり取りがすんなりと入ってくる。


怪優だな、古田新太(ง ˙o˙)ว


内容は、醍醐真司が関わる4つのお話。


まずは、4篇の全てにその流れが関わる「消えたマンガ家」


原稿の締め切り前に仕事を放り投げて失踪したマンガ家・椋洸介(むく こうすけ)を探すため、現編集者から相談を持ち掛けられたことで、このお話が始まる。


椋を、ホラー・マンガ家とした独り立ちさせた最初の編集者である醍醐真司が、彼を見つけ出し、再びペンを握らせるところまで…


次のお話は、落ち目のスター・マンガ家と組んで仕事をすることになった醍醐真司の博識ぶりを楽しむ話(笑)


2人のマンガ家とのやり取りを読みながら、編集者って大変なのねと頭の下がる思い。


マンガ編集者が主人公のお話って今まで読んだこと無かったから、物凄く新鮮。裏扉の作者プロフィールを見たら、長崎尚志さんは元マンガ編集者で漫画雑誌の編集長経験者なのだとか。


なるほどね‼


だからこその面白さなんだわ。


そして、3篇目は醍醐真司の仕事ぶりではなく、その趣味の世界で出会った少年とのお話。


マンガ編集者は、マンガ家を助けるために、様々な取材・調査をする。もちろん、本人の素養もあるんだろうけど、かなりこだわりを持って知識を吸収している。


そんな調査能力をいかんなく発揮して、少年にある仮説を伝え、彼の迷いを吹っ切っていく。


そして、その調査能力をさらに別な形で活かすのが第4篇目。


ここで、最初のお話の登場人物である椋洸介がペンを置くきっかけとなった30年前の真実を…


ただの短編小説ではなく、それぞれに他の小説が関わっていったり、ヒントを与えたり、連作とも違う面白い構成だと思う。


実は「闇の伴走者」放送中にその原作を図書館に予約していたんだけど、「予約0」だったはずなのに、後から予約した続編のこちらの方が先に届いてしまった。


ドラマを見てたから、醍醐真司という編集者の人となりは多少頭に入っていたので、読みやすかった。


醍醐真司の「邪馬台国」関係の知識は凄いわ。普通の人、あんなに知らないよ(汗)それだけでも、このキャラに面白さを感じるし、更なる続編を期待しちゃうな。