今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ノー・エスケープ 自由への国境


アメリカにトランプ政権が誕生し、不法入国問題の対応策として、メキシコとの国境に壁を作るとぶちかまして、その強権ぶりに驚いたばかりの私たちには、なんともタイムリーで、その辺も興味をそそる。


当事者にはとんでもなくリアルな映画だろう。外から観てる私でさえ、これから先、こんな輩が登場するかもという恐怖を感じた。


どこまでも続く荒涼とした大地。そこを進むおんぼろトラック。大きな荷台にはアメリカとの国境を越えようとする人々がぎゅうぎゅうに。


突然の車の故障。越境者たちは砂漠地帯を歩いて進むことになる。歩みの遅い人たちがどんどんと置いていかれ始めた時、突然映画が爆走を始める。


一方で、この砂漠地帯で猟をしながら暮らす謎のアメリカ人も登場。車に生活道具を積み込み、相棒は鋭い目をした猟犬トラッカー。渇いて焼けるような暑さの中で、男は酒を水のように呑み、そのキレちゃってる姿はかなり怖い。


越境者と謎の男の遭遇。彼は、国境を越える者を認めない。自分の領域が侵食されていく焦り、苛立ちが彼を暴走させる。


身を隠す場所も無い砂漠地帯で先を急ぐ越境者に突然悲劇が起こる。姿の見えないハンターに銃撃され、次々と倒れていく。小高い岩山から彼らを狙撃するハンターにどんな理由があるのか。私刑を執行するハンターの狂気を岩陰から目撃する主人公たち。


彼らは一団から遅れたことが幸いし、その場を逃げ延びることが出来たが、ハンターにはよく訓練された猟犬がついている。


すぐに見つかり、後を追われる。


獲物を見つけると牙を剥きだす猟犬の恐怖。どこから飛んでくるか分からない銃弾。越境者たちを助ける物など何も無い大地。


自由と安全を求めた越境者たちの不法入国の理由も分からないでは無いけれど、まさか銃撃されるほどの覚悟はなかったろう。そんな中で理由も分からず、死をむかえる。


最後まで生き残った主人公たちは、ハンターの存在を知り、銃弾だけでなく、猟犬というハンターの武器の恐怖にも立ち向かうことになる。


逃げる者と追う者。ただそれだけの88分。ハンターの銃撃の理由も深く語られず、ただ彼の苛立ちを見せられるだけ。だからこそ、恐怖が募る。得体の知れない恐怖。


物凄い緊張感。


(ちょっとネタばれ…)最後に主人公とハンターが対峙する場面。岩山からハンターを突き落とす場面。なぜ、主人公まで落ちていったのか。。。水も持たない砂漠地帯でのチェイスで体力もギリギリで判断力の限界だったのかなぁ。


それでも、主人公の「砂漠に殺されろ!!」はなかなか良い台詞。自分はハンターと同じ殺人者には堕ちないという最後の選択。


エンドロールに流れた音楽。なかなか映画にマッチしてたけど、最後の最後で音楽が終わっても、そのまま無音のまま流れていく。緊張で疲れた私にはそのくらいの静寂は必要だった。


そんな静寂に浸るなか、誰だっ、ペラペラ喋ってる男は?(エンドロールに入ると途端に喋り始める人。やめてください。静かに退場し、外で喋ってください!!)あれだけ無音の中で、自分の声が響いてるのが分かんないのかなぁ( •́ㅿ•̀ )?


理由が分からないって怖い。。。


最後にハンターについて思ったこと。。。物凄い狙撃能力。スナイパーとしてFBIにでも雇ってもらえ!!猟犬の調教がハンパない。FBIにでも雇ってもらえ!!その高い能力、他で使え〜!!


でも、使えなかったから、苛立ってるのかも。。。


満足度の高い映画でした(ง •̀_•́)งそして、疲れる映画でした(汗)良い映画観たぞ(ง •̀_•́)ง


※前日にカンテレの「CRISIS」で小栗君と西島さんのドラマとは思えない緊張の瞬間に痺れたばかりで、手に汗握る集中力を連続で求められるとさすがにもう疲れが抜けないお年頃(汗)