今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

トンネル 闇に鎖された男


久しぶりの韓国映画!!ハ・ジョンウ主演で、オ・ダルスが出てるとあれば、絶対ハズレ無しよねぇ。


最近は、WOWOWで定期的に韓国映画の特集を組んでくれるので、テレビで見ることが多くなっちゃった(汗)


シネマート六本木の閉館後、シネマート新宿1館では、なかなかスケジュール的にもタイトになって、劇場鑑賞のチャンスが減ってしまった。


面白い映画多いんだけどね。。。


本国でもヒットしたそうだ。でも、ヒット作だからって日本で公開されるとは限らない。最近は、いわゆる韓流スターが出てるラブコメ映画の公開はされるけど、硬派な映画は前ほど公開されなくなったように思うんだけど(~_~;)


本作のストーリーはいたってシンプル。まだコンクリートも新しいトンネルが崩落し、たまたま走行中だった男が閉じ込められる。車が上手くクッションになり、男は運良く命拾いし、瓦礫に囲まれた狭い空間で現実と戦うことになる。


人より大きなビクともしない瓦礫が囲む空間で、彼は携帯電話で、自分の緊急事態を通報する。電波状況が悪く、救助隊に事の次第が上手く伝わらない。


もどかしい。さらに恐怖を駆り立てるのは崩落が終わったわけではなく、ちょっとした振動でガラガラと音を立ててコンクリートの塊が落ちてくることだ。


もっと簡単に助けてもらえると思っていた男は、自分の置かれた状況が飲み込めるにしたがって、帰還への望みが薄いことを知る。


救助する側にもいろいろある。必死に対応する現場の救助隊、それを取材する名目で集まり、好き放題に現場を荒らすマスコミ。また、崩落の瓦礫の下で奇跡的に生きている主人公を救い出し、自分のイメージ戦略に繋げようとする政治家たち。


度重なる崩落で、救助の予定は大幅に遅れ、費用は莫大になっていく。携帯のバッテリー切れでとうとう安否確認が出来なくなった時、世間は生死不明のたった1人のために膨大な予算がつぎ込まれ、渋滞緩和のために始まったすぐ近くの別のトンネル工事がストップすることに疑問を抱き始める。


そして、妻や娘にまでそのプレッシャーがかかってくる。


妻は世間に歯向かうことを許されず、かろうじて通じていたラジオ放送で救助が打ち切られると夫へメッセージを伝える。どれほど苦しかったろう。多分、全くの第三者なら、自分も世間と同じ言葉を吐いていたろう。


1度は諦めた主人公の命を繋いだのは、なんだろう。


物凄い精神力を持つ主人公。閉じ込められ、いつ崩落するかも分からない中で救助を待つなんて、かなりシビアな経験だ。観てるこっちまで、石が転がり落ちる音1つ聞こえるだけで身震いしてしまう。


とにかく、ハラハラしながら、観続けるのは、ホントに体に悪い(~_~;)


おまけにちょっと長いので、相当疲れる。面白いけど。また、内容がシビアにもかかわらず、チョロッと笑えるシーンが差し挟まれて、韓国映画だなぁと。


長官が現場まで出張ってきて、国をあげて救助活動しようと言ってたのに。なんと、国民の側が、1人のために予算かけて、救助隊の命かけてどうするんだと言い始めた途端、予定変更しちゃう政府には驚きだ。私たちがニュースで見てる国民感情に左右される韓国政府の姿勢、そのままだ。この映画がヒットしたって言うんだから。。。民意と国民感情は違うよなぁと。。。


まぁ、いずれにしろ、面白かったけど。もう1人の要救助者との出会いで、主人公の人間性が試され、その人の飼い犬が娘へのプレゼントになる。シンプルなストーリーにもいろんな仕込みがある。ちょっと長いけど、劇場で。