今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

追憶


結構、ギリギリで劇場に行ったのに、直前のネット予約の状況ではガラ空き…でも、開場されたら、それなりに人がいる。つまり、鑑賞者はネット予約をする世代が少ない…やっぱ、降旗康夫監督ということで、年齢層は高めなんだな。


だとすると、主要キャストはどう写ったろうか…昭和の物語に今時の俳優。観る前から、そのアンバランスさが気がかり。


最近のやたらと説明的で長い邦画の傾向からしたら、100分で収まる本作は本来の映画の姿に近いのかもしれない。でも、それなりに深いストーリーの中で尺を削った分、成り行きを本人に語らせたり、登場人物の苦悩が妙にあっさりと描かれてたり、消化不良というか、なんというか…


いろんな意味でちょっと無理があるなぁという印象だった。


25年前、家庭で居場所を失った3人の少年が身を寄せたのは町はずれの海辺に立つ喫茶店。主は、他の町からやってきた1人の女性。そこに何かと世話を焼く町の電気屋の男がやってくる。まるで、家族のように暮らす彼らの元にある日、風体の怪しい男がやってくる。


その男から逃げ出して、安住の地をもとめた女主人。苦しげな女主人を救いたい少年たちは、その男への怒りを溜め込む。そして、事件は起きた。


それが、少年3人を別な道に向かわせた。その後25年、彼らは3人で会うことはなかった。


そして、新たな事件。3人が、被害者、容疑者、刑事として出会うことに。


サスペンス仕立てて始まるが、けして、サスペンスではなく、少年たちのその後を語るストーリー。それぞれ、「事件」によって、誰にも言えない思いを抱えながら生きてきた彼らの今を観る。


感動的と言ってよいストーリーではあるけれど、3人の少年が今の生活を選んだその経緯など、映画の中ではサラリと描かれ、その部分は観せるのではなく、彼らに語らせてしまっている。


こういうのを観ると、ドラマの方が良いなと思ってしまう。せっかくの豪華キャストでも、残念だなぁと。


ドラマでじっくりと少年たちの心の変化を追った方が良いストーリーだと思った。


それと、事件の後、元の場所に立ち戻ったのは啓太だけ。逃げ出していた父親の元に戻り、その家業を継ぐ。結局、その場所で生き続けることで罪を償おうとした彼の人生の方がよっぽど映画的かと。啓太の抱えてきたものこそ、人に言えない苦悩であって、なんでそっちを主眼にしなかったのかなぁと。


ん〜。。。岡田准一を主演させるためのストーリーであり、映画なんだなぁと。だったら、時代劇で良かったのになぁ(汗)


事件の時の子供たちの恐怖もその後の苦悩もあまりにあっさりと描かれてたせいか、なんか、しっくり来なかったなぁ…


とにかく、海に沈む夕陽が美しい映画だった(^▽^;)そして、エンドロール。出演者・スタッフの名前は縦書きで、スクリーンを左から右に流れていく。あぁ、こういうの、久しぶりっ(ง •̀_•́)ง邦画だ!!