今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ゴールド 金塊の行方


試写にて。とにかく、マシュー・マコノヒーの俳優魂には恐れ入る。あのだらしない格好はもうそれだけで、彼の役へののめり込みぶりを感じられる。お見事!!


鉱山探しのビジネスがどんな風に成り立ってるのかよく分からない。既に日本では金鉱などは過去の遺産だから…


軍艦島なんか見ると既に昔の物語って感じ。でも、石炭はまだ採掘されてるって聞いたことあるけど…


当たれば一生楽できるけど、そこに行き着くまでが地獄という鉱山探し。父親の後を継ぎ、優良な鉱山を投資の対照にして金集めをし、採掘するのが主人公の仕事。


浮き沈みの激しい世界。かつて、誰もが夢中になったとある銅山発見のニュース。その発見者は既に過去の人となって、海外で細々と鉱山探しを続けている。


父の稼業をダメにして、諦めきれずに鉱山探しにこだわる主人公がある日夢を見る。銅山発見のヒーローに自分の夢を語り、2人で新たな鉱山探しを始める。


最初は金の含有率が低く、思うようにいかなかったが、主人公がマラリアに苦しんでいるうちに、相棒は有望な金鉱を引き当てていた。


これがアメリカ中に知れ渡り、彼らの金鉱は投資の対照になり、カネがカネを呼ぶ。一気に億万長者。それまでの苦しい生活が一変する。


こうして、主人公が最高の採掘者として表彰されることになるほど成功を収めた時、突然恐ろしい真実が明らかになる。


なんと、彼らが採掘した金は鉱山から直接採掘した物とは違う形状で、川などの水でカドが落ちていた。つまり、彼らの言う「金」はどこにも無かったのだ。。。


その金脈に投資をした人々は大騒ぎだ。主人公はカネを返せと叫ぶ投資家たちや真実を明かそうとするFBIに追われる。主人公の夢は誰にも信じてもらえなかった。それでも諦めずに夢にしがみついていた時、やっと、共に歩ける友人に出会った。その彼もわずかな希望にしがみついていたのだ。そんな境遇の似た相棒を心底信じて、疑わなかった主人公。しかし、その友人からある日突然裏切られた。


全てが信じられなくなった主人公は、一文無しになり、FBIの追求でも共犯とは断罪されず、無罪放免になる。


「これからは自由です。しかし、ずっとあなたを見ています」FBI捜査官の最後の言葉を主人公をぼんやりと聞いている。結局、決定的な共謀の証拠が無いから捕まらないだけで、何かあれば、詐欺で告訴される立場に置かれたということだ。


これほどまでに相棒を裏切った男の最期は悲惨なものだったが、それでも、まだどこかに諦めきれない物を抱き続けた主人公にラストで訪れる相棒からの真実。


これはやられたねぇ。実話だって言うけど、ラストまで真実なのかしら?キツネにつままれたようなラスト。面白い。


観終わって、しばらくしてから思ったんだけど。確かに相棒の異変に気づくチャンスはあったよね。マラリアから復活した頃に。その前後も一切主人公は採掘した金を手に取る場面が無かったから。つまり、観る側も騙されたってことだ。


そして、相棒がなぜこんなことをしたのか。それは自分たちの望みにわずかな可能性も残されていないことを知った時、友は生死の境を彷徨っていたからじゃないか。友をなんとか生き返らせるためのウソだったのか。あるいは、自分を忘れ去った世間への復讐だっのか。


全ては相棒の計画通りだったのかもしれない。全てを自分の仕業にして、全てを背負ってこの世に別れを告げる。そこまでしないと、彼は一生、脈の無い鉱山探しの夢に囚われ続けることになる。そこに未来は見えなかったんじゃないか。だから、アメリカから夢を捨てられない男が訪ねてきた時、彼はその話に簡単に乗ったのかもしれない。


なんだか、ジワジワくる映画だった。そうそう、予告編で映った大量の金の延べ棒。あんなシーン、あったかなぁ?