今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

パトリオット・デイ


監督ピーター・バーグ、主演マーク・ウォルバーグの韻を踏んだようなお名前のコンビによる実話映画化の3作目。


戦地で孤立した米兵の戦いを描いた「ローン・サバイバー」、史上最悪と言われた石油流出事故を描いた「バーニング・オーシャン」。いずれも緊張感ハンパない映画ではあったけど、今作はさらに演出に磨きがかかったというか…


ニュースでボストン・マラソンでの爆弾テロについて大きく報道され、事件の大きさに比して、犯人の特定と逮捕が早かった印象だった。その陰には、捜査員たちや住民の街を挙げての戦いがあったのだとこの映画で知った。


だいぶ前だけど、ボストンの街を舞台にした映画はボストンの人間でないと演じられないと当のマーク・ウォルバーグが言ってたのを思い出した。確か、マット・デイモンも同じ様な発言をしてるのを聞いたことがあるなぁ。


それを地で行く映画だった。最悪の事件を街の人々が手を取り合って、乗り越えていく。実際の映像も使いながら、その違和感に気づかないほど巧みな流れで、あの日からの数日を追いかける。


途中、犯人を追い詰めながら、最後のところで逃げられてしまい、住民に外出禁止令を発するほどの厳戒態勢を敷けたのもある意味この街の強さなんだろうなぁ。同じ目的に向かって、皆で進むという。。。


犯人追跡のための住宅街での銃撃戦なんかは、これが実話なのかと驚くほどの衝撃。銃社会の持つ一面も垣間見る。


マーク・ウォルバーグが同僚と語る場面が私には印象に残った。その日が3月11日だったことね。「愛」が大切だと言っていた。自分の住む街を愛する。自分のまわりの人々を愛する。。。愛で団結し、愛で立ち上がる。


実際の被害者の方のその後も語られ、彼らの笑顔がどれほどの救いになったことか。


容疑者の妻が逮捕され、彼女が夫の行為に対していささかも悪びれる様子が無いことに恐怖を感じた。自分の逮捕に対しても納得していない姿には寒気を感じた。同じ日常に相容れない感情を抱く人たちがいる。それこそ、愛で繋がることは出来ないのだろうか。。。


また、アメリカでの事件解決に向けた捜査態勢を垣間見る映画でもあった。日本の警察物でいう「警視庁(県警本部)VS所轄」のグレードアップ版というか…軍や州警察なども登場し、さらにはFBIのお偉いさんも取り調べを譲る謎の捜査官まで登場。この辺りはどこまでが実話なのか分からないけど、アメリカの本気みたいなのを感じた。


これで事件解決ではなく、あくまでも「あの時」を共有した人々の物語として、物凄い映画だと思う。