今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

君はひとりじゃない


試写にて鑑賞。ポーランド映画だそうで、本国の「アカデミー賞」では、作品賞などの主要部門総ナメだったようです。


会場は市ヶ谷の東宝東和試写室。初めて出かけました。場内や椅子は少し古い。でも、小さいけれど、しっかり観られる試写室でした。


全編通して、何事か事件が起きるわけではなく、母親を失ったある家族の再生の物語。父親は警察の検死官で、悲惨な事件で現場に立つことが多く、どこか人の死に慣れてしまってるようだ。悲惨な事件現場でも顔色一つ変えない。そんな父親をすぐそばで見続ける娘。彼女は父親への嫌悪感から過食を繰り返し、情緒不安定。


こんな父娘の日常と平行して登場してくるのは、娘と同じ様な情緒不安定な若い女性をカウンセリングしている中年の独身女性。彼女にはどこか陰がある。彼女の生活が映し出されると、過去に身近に赤ん坊がいたことが分かってくる。彼女にも家族を失った過去があるのだ。


娘がカウンセリングのために入院した病院で両者は出会う。


互いの状況を理解し、励まし合う人間ドラマなのかと思っていると、どうも不思議な方向に話が進んでいく。


なんと、このカウンセラーの女性は霊媒師でもあるのだ(笑)家族の死を受け入れられない人たちの苦しい気持ちに寄り添い、亡くなった人たちと交信することができるという彼女。


これをどう捉えるかは観てる側の問題で、私はここで笑っちゃったんだよなぁ(汗)結局、どうあがいても、自分が向き合うしかないのだけど、どうにも立ち直れなかった父娘はどうどう巡りで遠回りしちゃった。


霊媒師の女性が2人の間に立つことで、それまで2人が直接向き合っていた緊張がほぐれたというか、よそを向く余裕が出来たというか…霊媒師としての働きは無かったけど、彼女の存在は大きかった。


父娘の再生ドラマとして、良い映画なんだろうな。私には不思議度合いの方が大きくて、普通の映画だったけど。。。