今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ヒトラーへの285枚の葉書


映画の感想アップ、ホントお久しぶりです。梅雨だというのにあちこちで猛暑日連発の日本列島。さらにあちこちで豪雨が発生し、多くの被害が出てる日本列島。


東京は豪雨こそ無いけれど、突然の雹に見舞われ、東京の交通の要、山手線が運転を見合わせるなど、どうなっちゃってるのか。。。


九州の豪雨災害にあわれた皆さんに、心より見舞い申し上げます。子供の頃、毎夏、夕立の度に水があふれ出る町に暮らしていた私は、水の怖さを知っている。避難所に身を寄せた皆さんがどれほどの恐怖を感じたか、もう考えるだけで震えがくる。


1日も早い、復興をお祈りいたします。


それでは、日記に。涼しい劇場に行くのは楽しいと思うけど、道中の暑さには耐えられないと思って、劇場が遠のいておりました。。。


そんな中で久しぶりに観たのは、評判の良かった本作。前に劇場で観た予告で第二次大戦中のドイツの話だとは知ってたけど、本編は英語でした(汗)英語もドイツ語も分からないけど、響きの違いは感じ取れるから、そこはちょっと残念だったかな。


お話は大戦中、ヒトラーがまだまだ快進撃を続けてた頃に始まる。兵士として、戦場に立った最愛の一人息子の死が一通の封書で伝えられた夫婦の命を賭けた闘いを描く。


息子を亡くして初めて、彼らはヒトラーの始めた戦争の無意味さに気づく。そして、夫はただ黙って現状に従うことが出来ず、何かしなくてはいられないという衝動に駆られ、カードを手にする。


カードには、ヒトラーこそが正義という当時の社会にあって、真実に目を向けるように呼びかける言葉が連なっている。人の目に触れる場所にカードを置いて、人の目につかないように立ち去る。それだけのことだが、あの時代には許されないことだった。


時代を反映して、それらのカードのほとんどが警察に届けられた。つまり、彼ら夫婦の行動が社会に影響を与えたかと言えば、否。それでも、彼らの思いを捜査当局に届けなかった人がいる。見つからなかった18枚。


さらに、捜査のプロである警察を差し置いて、冤罪の犯人を処刑するよう迫ったり、横暴を振るうゲシュタポとの軋轢に悩む警官が、夫婦の言葉にこそ真実があることに気づくのだが…


時代の流れとそれに抵抗した夫婦を描く実話。おそらく、関係者は既にこの世にいないだろう中でどのようにこうした真実を掘り起こせたのか、そっちが気になる。


夫婦は逮捕され、処刑されているし、彼らが命を賭けて思いを託したカードのほとんどは国家の側にあったのだし。様々なドイツの戦後を語る映画を観たが、戦後もナチの生き残りが社会の中枢に厳然と存在し続けたことも描かれている。そんな中で、こうした記録が残っていたのが凄いなと。。。


夫婦の行動は確かにハラハラするのだけど、全体的に淡々と描かれている。それが、逆に胸に迫る。