今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦


試写会にて鑑賞。ナチス関連の映画でチェコが舞台になるのは初めて観た。ナチスが台頭してきた頃のチェコが置かれた状況について、映画の最初に字幕で説明が入る。それは、とてもありがたい。ユダヤ人排斥がメインになることが多いナチスを描く映画の中で、視点も内容もちょっと違うので、当時の状況を簡潔に伝えてくれるから、より分かりやすい。


映画等で、当時の歴史の一端に触れながら、頭の中でちゃんと整理できない私。。。チェコが、ナチと対抗する国々の中で、その国として同等の立場が認められなかったという事実に驚く。結局、イギリスなどの連合国軍側も自分たちを守ることだけだったのねと思ってしまった。


そうした中で、ナチスドイツに併合されていくチェコの人々。ナチスに都合の悪い人々は無残に処刑されていく。その指揮を執っていたのがハイドリヒ。邦題の副題がなんだかB級っぽくて、残念だ。内容はナチスに抵抗するレジスタンスの暗殺計画に基づくもので、実話だから、かなりシビアで重厚だ。その内容を考えるとイメージが違う副題は無くても良かったのにと思えてくる。


チェコ映画だと聞いていたが、俳優陣は知る顔が多く、イギリス、フランスとの合作だからこそなのか。


ヨゼフ役の俳優さん、主役というよりいつも脇でしっかりと演じられる俳優さんで、特にエキセントリックな役が上手い人だなぁと思ってたけど、今回はまたさらにその上手さに感動。キリアン・マーフィーさんというお名前。ちゃんと名前を覚えておこう。


実際の暗殺計画に至るまで、彼ら抵抗勢力の中にもいろいろと議論があったようだ。それでも、結果として彼らの望みは達成された。だからこそのナチスの報復がとんでもない。暗殺の首謀者である彼らとは全く関係の無い村を犯人を匿ったと言いがかりをつけて、全滅させてしまう。


彼らとしては、目的を達したのだが、その反動が大きすぎる。これが実話なのだから…


あの裏切り者の名前。本名なのかな。このチェコで大ヒットした映画で国中に彼のしたことが知れ渡ってしまった。本名だとしたら、その系譜の人々にはたまらない。そんなことを考えてしまうほど、内容がズシリと響く映画だった。


ほんと、この映画は観た方が良い。緊張感が途切れない張り詰めた展開で、ラストの強烈な銃撃戦がまた凄まじい。