今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

新感染 ファイナル・エクスプレス


久しぶりの韓国映画。そして、吹き替え試写。なんで、吹き替えなんだろ。多分、パニック映画だからかなという自分なりの結論。おそらく、吹き替えないと字幕量が嵩むのかなと。。。


さて、主演はコン・ユ。ラブコメで華麗に演じてた姿はすっかりなりを潜め、猛烈自己中仕事人間の父親を演じてる。父親役が様になる年になったのね。


離婚調停中で別居状態の妻の元へ娘を連れて行くため、特急列車に乗り込む。娘を釜山まで届けたら、トンボ帰りの予定だった。


ところが、この旅は片道切符の旅になる。


なぜか、防護服に身を包む役人が消毒液を散布してる。どうも近くで事件が起きたらしい。そして、消毒液まみれになったトラックが道に飛び出してきた鹿を跳ね飛ばす。死んだはずの鹿がスッと起き上がる不穏なオープニング。


久しぶりの父との外出だが、父親は仕事のことが頭から離れない。そんな父親を残し、トイレに行く娘。彼女の小さな瞳は車内の不穏な動きを少しずつキャッチしていく。


発車直前に飛び乗った少女。彼女は血だらけでフラフラと通路を進んでいく。彼女こそ、この列車をゾンビ列車に塗り替える最初の人物。


列車はソウルで起きている暴動を受け、予定を変更して走り続ける。やっと、軍隊の待機する大邱まで来た時、そこはすでにゾンビが蔓延していた。


最初から最後まで、列車の乗客とゾンビの戦い。追いつ追われつの攻防戦。大邱で大量発生したゾンビ軍人達が登場した辺りからは、正直もうウンザリって感じるくらいゾンビの猛攻(汗)


あちこちの町がゾンビに襲われ、走る密室となった列車だけが安全地帯となったのだが、生存者のいる車両は離れ離れ。愛する人を救い出すために男達は命をかける。


ウンザリするほどのゾンビ映画とは言え、韓国映画だから、ベタベタの人間ドラマも盛り込んで、泣かせる。


主人公である仕事人間の父親は愛する娘のためにそれまでの彼の姿とは違う一面を見せ始め、最後の希望を娘に託す。


目的の釜山まで誰が辿り着くのか。最後まで強い意思の力を瞳に映す女性をチョン・ユミさんが演じる。彼女はこういう芯の強い女性を演じるとピカイチだと思う。姉御肌のおおらかな女性で、自分を持った人。そんな役はぴったり。


ゾンビは音のする方に進む。見える物に向かって突き進む。暗くなると動きが止まる。登場人物たちがそうした特性をいち早く感じ取って、ゾンビから逃げ出すことで、ある程度の説得力を生み出してる。それは、ラストで生きる。


歌うゾンビはいないから。。。


でも、どうして、「アロハ、オエ」?すぐに調べてみました。ん〜。映画の内容を考えて聞くと深い意味に取れますね。「アロハ、オエ」


ラストシーンで場内がザワついたのはなぜだろう。えっ、これで終わり?と思ったからか。確かに夢も希望もかなり少なめな終わり方だけど、私はもう十分だった。もうしばらくゾンビは見たくない(汗)それほど、お腹いっぱい。


面白いし、泣かせるし、邦画みたいに主人公が嘘みたいな奇跡の生還をしない説得力ある話だし、是非ご覧あれ!!