今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

真実の10メートル手前


最近、映画館に行くのが億劫で、かと言って家で映画を見る気にもなれず、ちょっと読書でもと、久しぶりに湊かなえさんの本を読んだ。そして、もう1冊くらい読んでみようと手に取った本作。


数年前、「満願」で話題になった米澤穂信さんの本を選んでみました。ブログをチェックしてみたら、「王とサーカス」という小説だけは読んでたようです(^_^;)すっかり、忘れてました。


その作品と同じ主人公が登場します。


「真実の10メートル手前」米澤穂信著(東京創元社)

以下、感想。。。















フリー記者の太刀洗万智が世間を賑わす事件の真相を追い、彼女ならではの視点で事件に迫る短編集。


「王とサーカス」の感想を読み返すとあまり、良い印象は無かったみたい。物語のここかしこに張られた伏線が私には面倒だったみたい。その構成は長編だから、苦手な人には面倒なのかも。その点、短編は程良い分量だから、伏線を張られても、見逃したら、ページを戻ればすぐに見つけられる。という意味で、1つ1つ独立した短編ではあるけれど、テンポが良かったと思う。


こういう構成で行くなら、今後も短編でお願いしたいなぁ。


ところで、一時期予約するのもイヤになるくらいの人気だった「満願」。


読んだような気がするんだけど、1つも覚えてない(^_^;)ん〜。。。


さてさて、太刀洗女史の思考パターンからすると、記者として公平に真実に臨もうとしているためなのか、感情的な印象が薄い。だから、本作のような短編はぴったりだと思う。


記者って、何でもべらべら喋って良いワケじゃないし、どこか奥歯に物が挟まったような言い回しの主人公を長編で読むのは疲れると思うのだ。だから、短編のこれはOKです。


とりあえず、1日で読めるのがなんとも嬉しい。ちょっと時間の空いたときにサラッと読むのに最適だ。