去年、KAT-TUNの亀ちゃんが主演したNHKドラマ「正義の天秤」の原作。
亀梨くん、とってもカッコ良かったし、芝居も良かった。なにより、共演者の奈緒ちゃんがとても良かった。そして、面白かった。珍しく全話見た。1クールものじゃなかったからね。
「正義の天秤」大門剛明 著(角川文庫)
上下巻ではないが、本作に続く形で続編が出版されている。ひとまずは1冊目を。
以下、感想。。。
かつては腕の良い外科医。大切な恋人を失い、彼女と同じ弁護士の道を進んだ男、鷹野和也の物語。まず、医者になり、それなりの実績を積むようになるにはある程度の年月が必要だ。その後、弁護士に転身し、そこでもやり手と評価を受けるようになるまで15年。彼はどんなに若くとも45歳にはなってるだろう。
亀梨くんじゃ若過ぎ(汗)かな。でも、いぃ〜や、カッコいいから。また、ドラマの中では亀梨くんの得意な野球も物語に練り込まれてる。事件を担当して、今後を検討する時、仕事を任せた若い弁護士たちとのコミュニケーションの手段として、相手の経験のある無し関係なく、駐車場でのキャッチボールに誘う。
この辺は鷹野を亀梨くんに当てた製作陣のお遊びで、ドラマに色を付けている。
さて、原作は鷹野と彼がアメリカでの華々しい活躍の場を1度離れて舞い戻った日本で仕事を共にする弁護士たちとの事件を巡る日々が描かれる。
彼が籍を置く事になるのは、赤坂見附の師団坂弁護士事務所。師団坂って赤坂見附にあるの?って思ったくらい知らない坂なんだけど、実は赤羽にあるそうです。
赤羽と赤坂見附って遠くない?赤坂の方にある赤羽橋じゃないの?って思いながらも、まずお話が面白いので、調べるより先に読んでしまった。
師団坂弁護士事務所はかつて鷹野が恋人を亡くし、自暴自棄になっていた時、助けてくれた佐伯真樹夫弁護士が開設したもので、抱える弁護士も200名を超える日本でも大手の事務所だ。
金にならないのに派手な刑事事件担当部署にやってきた鷹野は大鉈を振るってリストラを敢行し、彼の所属するルーム1をほんの数人の部署に換えてしまう。ところが、鷹野に影響され、それほど力量を評価されてこなかったメンバーかそれなりの結果を残し始める。その下りが事件ごとに連作されていく。
最後は、鷹野の恋人がなぜ死なねばならなかったのか、その追求に鷹野だけでなく、鷹野の部下たちも一緒に調べると申し出たところで、鷹野自身も知らずしらずのうちに彼らとともに歩いていたことに気づくという、なんだか青春小説のような締め括りで終わる。
この続きが続編に…
ドラマで奈緒ちゃんが演じた亡くなった佐伯真樹夫弁護士の娘、佐伯芽依。新米弁護士なんだけど、ドラマの芽依ちゃんの方が仕事はできそうだったな(笑)。小説の芽依ちゃんはちょっと頼りなくて、もう少し「気づけ!」って言いたくなるような…(汗)。
新米が少しずつ成長していくのを読んでいくのもこの小説の醍醐味なのか?
とりあえず、続編を読もうと思うが、師団坂の場所も確認しよう。
そうそう、続編のタイトルは「正義の天秤 アイギスの盾」。副題は何かしら意味のある言葉なのかな?実は本作も、それぞれの章にタイトルがついていて
「ブレーメンの弁護士たち」
「カルネアデスの方舟」
「マアトの天秤」
「悪魔の代弁者」
「アメミットの牙」
「正義の迷宮」
カルネアデスとかアメミットとかなんだかギリシャ神話とか古代ローマの言い伝えとか…そんな感じのものを連想しちゃう。時間のある時調べてみようかな。