今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

書き下ろし

新聞広告で講談社の書き下ろしシリーズのことを知った。

多分、その第一段…
『元職員』吉田修一/講談社

感想です。。。














吉田修一氏は「悪人」&「さよなら渓谷」の作者。

書き下ろしだから、長さもサラッと読める量でちょっと安心。

内容は田舎の団体職員である主人公が、たまたま帳簿上無いハズの500円ほどのお金を発見したことから手を染めた公金横領の顛末。

大金を持ち慣れない主人公と妻…背伸びをした生活は破綻への坂を転がり出す。

妻は夫がギャンブルで得たと偽っていた金の出所に気づき、その金で行きたがっていた旅行をキャンセル…

結局、主人公だけは大金をばらまくだけの旅に出る。

そして、旅の中で、これからも横領を続け、バレる訳はないと妙に腹をくくり、帰国の途につく。

相変わらず、吉田氏の作品は何が言いたいのか、意味不明…(((^^;)

とにかく、そんな大それた犯罪意識もなく、少しずつ、帳簿上には無い「お金」を溜め込んでいく主人公。気づいた時には数千万円の金を着服しちゃって…結局、どうして良いかも分からずに旅行にでてしまう。

違った価値観のアジアの国で、自分を悪い意味で立て直しちゃうんだよねぇ…

日本に帰国するため、機上の人になるところで話は終わってるけど、主人公の予想に反して、帰国後の彼はお縄になるよね…絶対。

罪の意識の薄い人を書かせたら、日本一だよね、吉田氏は。

人間は、転落する時、自分で歯止めは利かないんだって…

ある意味、怖いお話です。