今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

裸の山ナンガ・パルバート


8月6日公開の映画「ヒマラヤ 運命の山」の原作を読んだ!!


世界に14座しかない8000mを越す山の1つ「ナンガ・パルバート」の登頂記録。


「裸の山 ナンガ・パルバート」ラインホルト・メスナー(山と渓谷社)






















著者は、私でも知ってる世界的に有名なクライマーであるラインホルト・メスナー


彼の名前は、栗城史多君の無酸素単独登頂が話題になる度に、その先駆者として、また唯一の成功者として語られている。


だから、栗城史多君の記事を追っている人達には、顔は分からずとも、お馴染みの名前ではないのかな…(((^^;)


私は、漫画「岳」から始まって、山岳ドラマにハマってしまい、映画「劔岳・点の記」や映画「アイガー北壁」を観に行き、沢木耕太郎さんの「凍」を読み、山野井夫妻の無酸素アルパイン・スタイルの登山は心打たれ…


もちろん、小栗旬好きとして、映画「岳」も何回もリピートし…


って、状態だったから、8月に大好きな映画館の1つである「ヒューマントラスト・シネマ・有楽町」で山岳映画が公開されると聞けば、そりゃあそわそわしますがなぁ〜(((^^;)


で、別な映画を観に行った時に「HTC有楽町」でチラシをゲット!!


チラシに原作があると掲載されていて、しかも、それがメスナー本人の著作となれば、読むでしょう!!


という流れで、本作を手にしました!!


多分、山に登る人達は、自身の山行の記録として、またいざという時のための手がかりとして、日記をつけているのではないか…と。


本作もメスナー本人の記憶だけでなく、重要な場面の記述には論拠として、彼の日記があるのではないかと。


ただのクライマーではありませんよ、メスナーさん!!


特に日記等をつけられなくなってからの記述に関しては、まるで目の前に彼の言う場面が広がるようだ…


厳しい局面を迎えた登山チームにあり、メスナーは年齢も実力も1番上…


その彼でさえ、どうしようも出来ない人の心と山の天気…


彼は、1番のパートナーである弟ギュンターを失い、身も心もボロボロになって下山する。


弟を失った悲しみがどれほどか、他人には分かるまい…登山を応援してくれていたはずの父親にまで、弟の死の責任を問われたメスナーにとって、命からがら生還した下界は地獄ではなかったか…


そうした無理解の中で、彼は数々の訴訟を抱え、無酸素登頂やアルパイン・スタイルで登攀を重ねていく…


今回の映画化だって、訴訟相手や最初のナンガ・パルバート登山隊の関係者達には、受け入れがたいことなんだろう。


しかし、メスナーは自らの登山の成功結果で、そう言った「声」を凌駕してみせる…


凄い人だ。


最愛の最高のパートナーである弟の死を彼が簡単に乗り越えたとは思えない…


しかし、弟の死を彼なりに受け入れることが出来た時、彼の道は大きく開いたんだ。


映画を観ようと思ってる人には絶対お勧めです!!