今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

左足の虹


久しぶりの読者感想文です(((^^;)


だいたい、小説をちゃんと読んだのは、いつだった?ってくらい、本を読んでいませんでした。


11月に新刊が出ると水原さんのツイッターで確認していながら、全然出遅れ…(((^^;)


これもそれも、ウォンビンのせい!!


10月は「アジョシ」に明け暮れ、ネットで何度も見続け…


反動で11月は映画三昧…毎週映画館に行き、映画チャンネルに張り付き…


全く、良い大人の生活態度ではありません!!


軌道修正はやっぱり読書(^-^)v


で、水原秀策さんの新刊にチャレンジ!!


「左足の虹」水原秀策著(PHP研究所)


以下、感想…























「サウスポー・キラー」「栄冠を君に」と野球選手が主人公だったので、まるで水島新司先生のごとく、野球小説を得意とされてる小説家なのかと思ってる人は多いんじゃないかな?


でも、今回は、サッカーの世界が舞台。


しかも、日頃目にするJリーグではなくて、下部リーグのJFL!!


かつて、将来が嘱望されたスター選手がトラブルを起こし、出身地のJFLに拾ってもらったところから話はスタート!!


地元の土地開発問題と絡めながら、地元のスターだった選手の過去を暴いていく…


ちょっとひねった展開で、何度か頭を整理して読みました。


ひねった…というより、思わぬとこから事件の糸口が見えてくる。


落ちぶれて、JFLに拾ってもらったとは言え、「人物」に問題があっただけだから、そのプレーだけなら、試合中は花形の選手。


彼にかけられたあらぬ疑いの真相を突き止めるために、チームの強化部長が「素人探偵」ぶりを発揮して、事件を解決していく。


強化部長の探偵ぶりは良いのだけど…


疑いをかけられた、元スター選手と彼を取り巻くかつての同級生達が犯した所業がとても卑劣。


そして、自らの卑劣な犯罪を自分1人で背負わず、絶えず誰かのせいにしている彼らの頭の構造には、寒気がする。


それぞれの世界で普通に生きている彼らが、そこに辿り着くまでにどうやって、自らの行いを正当化して、まるで他人事のように事件を語れるようになったのか、聞いてみたい気もする。


私には全く理解出来ない正当性を基盤に語る登場人物(犯罪者)達には、ホントに救いようのない思い、後味の悪さが残った。


でも、でも…


花形選手を取り巻く一連の事件の責任をとる形でチームを去った強化部長氏が、いつか大きな夢の花を咲かせる日が来ることだけは、なんだか確信が持てちゃうラストだったなぁ。


水原氏によると、次作には「素人探偵」は出てこないのだそうです!!


今度はどんな「世界」を描いてくれるのか、楽しみ(^-^)v