ずっと前の書評で見たハヤカワ・ポケット・ミステリーの1冊!!
苦手な二段組みの小説!!
「二流小説家」デイヴィッド・ゴードン(早川書房)
以下、感想…
いくつものペンネームをその作風ごとに使い分けながら、「小説家」のはしくれとして、生活している「二流小説家」が主人公。
小説家としての稼ぎだけでは食べていけない彼は、家庭教師などしながら、なんとか小説家の体面を保っている…
ん?
こういうのって、「保っている」と言えるのか?
しかし、こういう立場の彼だからこそ、人も羨む「仕事」が舞い込んでくる!!
連続猟奇殺人事件の被疑者として逮捕収監されながら、一貫して「無実」を訴えている男のゴーストライターとして、彼の「言い分」を小説にする「仕事」…
主人公は、この「仕事」にタッチしたところから次なる殺人事件に巻き込まれ、挙げ句、第一の容疑者になってしまう。
この辺りまでは、苦手な二段組みの小説ながら、その面白さに引き込まれ、ドンドン読めちゃう(^-^)v
ところが…
最終段…
事件の解決部分にくると、ちょっと様相が違ってくる。
連続殺人事件の被害者の1人だと思われていた女性は別の犯人に殺されていたり…
犯人収監中に起きた類似事件で冤罪の可能性を持たせた事件にはちゃんと犯人がいたり…
主人公が、かつての事件で不明になっていた被害女性の頭部切断遺体の埋葬場所に気づいたり…
更には…
犯人の独白…
小説の「長さ」も影響あるんだろうけど、もうこの辺りは、お腹いっぱい状態で、それまでの面白さがどこかにいってしまう(((^^;)
最後には、全てに決着をつけて文章を結んだ印象だ。
がっちり結果が分からなくても良いのに…
そんなふうに感じてしまう最後。
ちょっとそこが残念だけど、物語のとっかかりや主人公の話なんかは面白いので、まぁ良いかな…
まぁ、好みの問題かな…
そして、内容的には、ハードボイルドじゃないんだけど、あんまり女性向きの小説ではありません。
何しろ、主人公はいくつもペンネームを使ってるけど、そのうちの1人は「ポルノ小説家」です(((^^;)
殺人事件もいわゆる女性を凌辱した形の事件ですから…(>_<)