今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ウイスキーと2人の花嫁


ヒューマントラストシネマ有楽町に行くのは久しぶり。残念ながら、小さなスクリーン2で鑑賞。同じ料金を払ってるのに、上映時間の違いでスクリーンが変わるって、正直納得いかない。ミニシアター系映画館の致命的欠陥だよなぁ。。。せめて同じ規模のスクリーンが2つ、3つあるなら構わないけど、150席以上のスクリーンと60席じゃ、ちょっと同等にしてほしくない。


スクリーンには納得いかなかったけど、映画は十分楽しめた。


第二次大戦中とは思えないのどかなスコットランドの島が舞台。ウイスキーをこよなく愛し、小さな島ならではの暖かいコミニティが築かれており、1つの家族のような島民たち。


島には堅物の民兵代表のような男がいる。軍服もどきの服装だが、けして軍や政府から任を授かってそこに居るわけではない。でも、島民たちは暖かい。それが彼の仕事だから、敢えて何も言わない。


戦時中を感じさせるのは、島唯一の郵便局で電話交換所の初老のお父さんの娘の恋人が出兵しているということ。


本島からの伝達品を運搬する船に乗って、その恋人が帰還する。2年ぶりの帰還。娘を手放したくないお父さんもさすがに観念する。


とにかく、ウイスキーが命の水である島民にとって、祝い事にウイスキーは欠かせない。それなのに、戦火の拡大と共にウイスキーの配給が途切れてしまう。


空の色さえ曇って見えるウイスキーの喪失。


そんな時、軍や政府の大切な物資を運搬する船が島の目の前の大きな岩に激突し、座礁する。命からがら逃げ延びた乗組員の話から船には戦地に送られるはずだった50000本のウイスキーが積まれていたと知る。


これは神の助けと信心深い島民たちはこぞって海に向かう。ただし、日曜の安息日は、働いてはならないので、しっかり留まり、時計の針が12時を過ぎた途端、女性も子供もウイスキーを拾いにいく。


その後、民兵代表の追求と本島からやって来た関税事務所の役人の検察を乗り切り、晴れて、拾い物のウイスキーは島民たちの手に渡る。


郵便局のお父さんの2人の娘もウイスキーで結婚を祝えることになり、父の元を旅立つことに。


戦時中のウイスキーを運んだ船が座礁した実話によるベースがあったとはいえ、なんと暖かな人々の交流か。隣の人がどんな人かも分からない都会の暮らしとは大違い。確かに人々の距離が近い分、様々な煩わしさもあるだろうが、それを越える結びつきが彼らの中に築かれている。


戦時中と言うこともあり、島の若者は学校の先生と帰還兵だけ。あとは老人や中年の男性に女性と子供ばかりの島。それでも、彼らが1人1人力を合わせて暮らしてる。戦争の一端を見る。


それにしても、幸せを感じる映画だった。