今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

塞王の楯


「八本目の槍」の今村翔吾さん。本作は確か直木賞だかを受賞したような…おぼろげな記憶…図書館で予約して、やっと読みました。


「塞王の楯」今村翔吾 著(集英社)


以下、感想。。。





















時は関ヶ原の戦いの前夜という時期、秀吉の死後、徐々に力を拡大していった徳川家康と秀吉体制を継ぐために奔走する文官の石田三成との間の緊張は頂点に達する。


三成が西国勢力をまとめ上げた時、大津城下を統べる京極家が城下の民をも城に入れ、城に籠もり西軍の精鋭と戦うことを決意する。


そして、以前、城の城壁の修復をした縁で穴太衆飛田屋に籠もるための石垣造りを依頼する。


本書はそこに至るまでの主人公、飛田匡介の来し方と西軍の精鋭による大津城攻めと対抗する穴太衆飛田屋の戦いを生き生きと描いている。


まるで、映画でも観てるかのような臨場感で迫ってくる。面白い。結構、読みでのある厚い書籍だが、読み出すと止まらないので、敢えて読まない(笑)。簡単に読み切りたくないと思った小説は久しぶりだ。


石の声を聞く石工、匡介のまさに石に選ばれし人生。こんなポイントに光を当てる今村翔吾という作家はなんだか凄いなと…


あの「八本目…」で天下を敵に回した石田三成をこんなふうに描くとは…と感嘆したのを思い出す。


内容を細かく書くと面白くなくなるから、ここまで。ぜひ多くの人に読んでもらいたい小説だ。