今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

新選組読本


再び「新選組」仕様に戻ってきました(笑)。


直前に読んだ「八本目の槍」がとっても良くて、徳川目線で語られてきた石田三成ではない三成をいつか小栗旬くんで見たい…とかなり心に残ってしまい、ちょっと…


新選組読本」司馬遼太郎 他 日本ペンクラブ 編(光文社文庫)


収録作家…司馬遼太郎 子母沢寛 池波正太郎 中村彰彦 服部之総 平尾道雄 佐藤あきら 小野圭次郎 大岡昇平 永井龍男 三好徹


以下、感想。。。















いわゆるアンソロジーってヤツです(笑)。でも、作家のメンツを見るに「新選組」物の王道を書かれた大作家が収録されている。その点、今どきの文章に慣れ切ってる私にはかなりヘビーな本作。


文章が硬い。これらの文章の運びを読んできた人生の諸先輩方は素晴らしいなと思う。私も相当おばさんだけど、それでも、こんな硬い文章に触れたのは国語の教科書くらいかもしれない。


新選組」について書かれた作品ではあるが、坂本龍馬清河八郎について書かれた作品や裏切り者・伊東甲子太郎について書かれた作品も収録されている。


それら「新選組」ではない人々についての作品は当時の新選組の背景を知る物として読めば良いのだが、せめて小説なのだから、気持ちよく「新選組」を知りたいと思う私には、全く不要に感じられ、とにかく読むのに時間がかかった。これ1冊読む間に、湊かなえさんの「ブロードキャスト」、今村翔吾さんの「八本目の槍」を読んでしまったという…(汗)。


特にダメだったのが、「新選組 伊東甲子太郎」というタイトルの小野圭次郎さんの作品。そもそも、このタイトルが違う気がするけど…(汗)。「新選組」じゃないし…


この著者は伊東甲子太郎と縁続きの方らしく、伊東甲子太郎が素晴らしい人として描かれている。まぁ、文武に優れた人だったらしいから、身内にとっては自慢の人なのだろうが、新選組にとってはどうだろう。


思想的に相反する新選組に入ったり、そこで地位を高め、何をするかと思ったら、反逆行為に走るような人間だ。人として、信頼できない。頭は良くても、時代を読む能力に欠けており、せいぜいが、町の秀才的な人だったのではないだろうか。時代の流れの中で、身の丈に合わない舞台に飛び出して、翻弄されてしまった人と言えないか…


明治の世になり、幕府側と対抗したという功績が認められて、時の政権に顕彰されたというが、それは「勝者」の理論で与えられたものに過ぎず、だから「人物」だったとは言えないだろうに…


まぁ、いろんな側面から書かれた小説が1冊にまとめられているので、ざっくり読むのには良いかもしれないが、私には苦労して読んだわりに今三つくらいの本だった。