「トガニ」の印象が強いコン・ユssi。その甘いマスクからは「トガニ」のような正義を突き詰めていくナイスガイ的な役がお似合い。
さて、韓国版「ボーン」と言われてる本作で、彼はどんな姿を見せてくれるのか。
既にあちこちで良い評判を耳にしていたので、呑気に構えていたら、来週からは1回上映になってしまうとか…
苦手な整理券入場制の新宿武蔵野館へ。ホント、このシステム苦手。人気の映画の時なんて、みんな殺気立ってるでしょ?
整理番号もお尻の方で、なんとかまぁまぁの条件の席に着き、いざ‼
おしゃれなタイトルロールから始まった。でも、最初の方は、断片的にコン・ユssiの今いる状況が語られていくので、結構真剣に見てないと…
そして、さりげないハラボジの会話が後になって、「うぉ〜」ということに‼
韓国映画って、どんなにタイトな映画でも、サラッと笑えるシーンが差し込まれてるのがミソだと思うんだけど、この映画はそのミソがとんでもなく重要ポイントなので、そこは凄いハイセンスだと思った。
そこかしこに終盤で回収されるネタが散りばめてあって、後半のハイペースな逃走劇の中で1つ1つ回収されていく。
よく練られてるなぁと思った。
先日、コン・ユssiのインタビューで、もう少し準備が出来ればもっと良いものを…って発言を耳にしたんだけど、それは作品云々よりコン・ユssi自身の準備ということなんだろう。
もう絶対、邦画は太刀打ち出来ないレベルのカーチェイスを見せられ、挙句飛ぶ、走るの逃走劇。それらに比べ、コン・ユssiの素手による殴り合いシーンは、ちょっとキレが無い感じ。
っていうより、物凄いカーチェイス見せられた後には、見劣りがするってこと。
そこのバランスが残念だったな。殴り合いのスピードに合わせてそのままスクリーンに映し出されていたので、正直、目がついていかない。だから、はっきり分からなくて、妙にキレが無いように感じてしまうのだ。
テンポを落とすとか、メリハリがもう少しあればなぁ(>_<;)
でも、ストーリーも良く、なにしろ、驚くようなカーチェイスの連続で、それだけでも観る価値は十分だ。
最後の刑事さんのイキな計らいもなんとも韓国映画らしい。
「ベルリン・ファイル」を思い出したなぁ。
確かに「ボーン」を思わせるシーンもあったけど、街の雰囲気なんかはまんま韓国映画なので、そんなに気にならなかった。
殺された妻子の復讐をするために立ち上がった1人の工作員。脱北して、犯人を探し求める孤独な戦い。
韓国が置かれた状況を上手くストーリーに乗せながら、腐敗した官僚と金持ち、それを追求していく現場の捜査官たちの思いを映し出していく。
哀しい復讐ばかりではなく、最後には希望も見えてくるのだが…
ここがちょっと感傷的に過ぎるのではないかと。あの大草原のラストは単なる復讐劇だけでなかったそれまでの骨太のストーリーを突然急展開させるもので、なんだかなぁと╮(╯-╰")╭
まぁ、あのラストの方が感動するかもしれないけどね。
とりあえず、今年の韓国映画はみなハイレベルです。劇場で観られるうちに是非٩( •̀ω•́ )ﻭ
カーチェイスはスクリーンで観てこそ(ง •̀_•́)ง