シャンテにて鑑賞。
原作があるらしく、しかも映像化不可能と言われてた作品らしく、相方がかなり前から観たかったらしく(観たい理由は知らないが…)、公開を待って劇場へ。
時は第二次対戦末期…
兵役任務から一旦戻った父親から、自分がいない間の生活ぶりを記録するようにと日記帳を渡される双子の兄弟。
戦況の悪化から、双子は目立つという理由で、妻の実家に疎開するようにと夫から言われた妻は、20数年ぶりに帰省し、「メス犬」と罵る実母に双子を押し付けて街へ戻っていく。
実の娘を「メス犬」と罵るのにはそれなりの理由があるのだろう。それは後半で明らかになるが…
敢えて世話をやこうとしない祖母に最初は戸惑う双子だが、その厳しい対応が彼らを強くしていく。
痛みや空腹に負けないために自分たちを肉体的にも精神的にも鍛え上げていく兄弟。
最初の出会いは良くなくても、自分たちにとって歩み寄ってくれた人には「友達」として、接していく。
それは国籍も男女も年齢も関係ない。
そして、彼らは彼らの友達への理不尽な対応には敢然と立ち向かい罰を与えていく。
いよいよ、戦況が終盤に差しかかり、ドイツ軍に関係する者たちの姿が消えていく頃、やっと母親が迎えに来る。預けられた当初は待ち焦がれていた母親。でも、強く生き抜くために母への思いを断ち切っていた兄弟には、ドイツ兵の男と共に現れ、兄弟の「妹」だという赤ん坊を抱えていた母親がまるで受け入れられない。
必死に連れ出そうとする母親を拒絶し、祖母の元に残ると言う。
この姿こそ、実の母親にまで「メス犬」と罵られた自分たちの母親の真の姿なのだ。そして、男と息子たちの間で右往左往している間に彼女は爆撃され、赤ん坊と共に命を落とす。
なんということだ。
結局、強さを持たず、時代に流されてしまった者は生き残れない。そんな時代の厳しさを目の当たりにする兄弟。
彼らは、彼ら自身の心と体を鍛え、目にした厳しい現実の全てをノートに書き込んでいく。そこで学んだ教訓も…
母の言い付けである勉強だけは続けながら…
友達の死、母親の死、祖母の死…
そして、強さを得るための最後の試練として、あることを実行する。
そのためには父親の死も厭わない。
子供が主人公でありながら、映画の舞台となった時代が戦時下であったために、過酷な物語であった。しかし、彼ら兄弟のその後が知りたいと思ったのも事実。こんな感じは久しぶりだ。
ラストの少年たちの後ろ姿。彼らの行くその先を観たいと…
かなり、ヘビーな映画だし、かなり後味もよろしくないが、それでも観る価値は十分ありだ(ง •̀_•́)ง
疲れるけど…