今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

カメラを止めるな!

単館上映から始まったらしい「カメラを止めるな!」。新宿のK'sシネマで公開したのは聞いたような気がするけど、今やシネコンの結構大きなスクリーンにかかってる。いろんな意味で、今年最大のヒットじゃないのかな。

数字的には救急ヘリ映画なんだろうけど、散々ドラマでやって、最近のフジテレビの作品としては視聴率も高かった上に再放送などで万全のプッシュをした大作だし、他のライバルより早めに公開してたんだから、もう少し行っても良いような気がするけどなぁと思ってたので、本作の何もないとこからの大ヒットにはやっぱり驚くよねぇ(^_^;)

ちなみに救急ヘリはドラマもオンタイム、再放送含め、1秒も見たことがないので、正直、何が良いのか分からない。。。俳優?ごめんなさい。

で、「カメラを止めるな!」。

どっかの放送局が「ゾンビ専門チャンネル」を開局することになり、そのスタートとして、テレビで「生放送」するゾンビ映画の製作に乗り出す。

あくまでも、宣伝を兼ねたテレビ映画なので、劇場公開するわけではないし、そんなに金もかけられない。ということで、バラエティ番組の再現ドラマの製作が主たるお仕事の監督に白羽の矢が立てられる。

監督には、あまりに役に入り込みすぎて現場をめちゃくちゃにしてしまう売れない女優だった妻がおり、親の遺伝子をしっかり受け継いだ一人娘はADとして撮影現場に立ってるが、これまた現場の空気を読まず、揉め事ばかり起こしてる。

そんな映画一家に転機が訪れた父親の仕事。

「生放送」という縛りの中で、思いっきりB級感に溢れたゾンビ映画が出来上がる。

チャンネル宣伝の意味もこめて企画された映画。それは、ゾンビ映画を撮影してる現場に本物のゾンビが現れ、役者やスタッフが次々とゾンビに襲われるというもの。監督はその現場こそ「本物だ」と言って、カメラを回し続ける。そして、ゾンビになってしまった俳優の恋人を殺して、1人生き残る女優が仁王立ちして終わる。

劇中劇として流れるこのゾンビ映画、ほんとに酷い出来(汗)ゾンビ・メイクは今時の学生映画だってこんなに酷くないだろってレベル。そして、主演の女優さんは、とっても大根。つまり、こんな人たちだから、こんな仕事が来るんだねってことなんだろうね。これはB級感を出すためにわざと練られた設定なんだろう。でも、ここまででイヤになる人いるんじゃないのかなぁ。この先に、あんな展開が待っていようとはなかなか思いつかないだろうし。

前半の放送素材としてのゾンビ映画が終了すると、今度はその舞台裏が明かされていく。あの場面、実はこんな風に成り立ってたとか、実はこんなトラブルで急場凌ぎだったとか…生放送ゆえのハプニングとハプニングへの対処というタネ明かし…

途中、カメラが地面に落ちて動かなくなる場面があったけど、それはこんなからくりがっ!って、様々タネ明かしが繰り広げられる。

とんだハプニングに見舞われて、ラストシーン用のクレーンが壊れてしまうが、そこを凌いだのは、監督の一人娘。

自分の現場をクビになり、父の現場を母と一緒に見学に来て、ハプニング続出のスタッフ・ルームで様々なアイデアを思いつき、なんとか生放送を支える。最後は仕切ってるほど(笑)

壊れたクレーンの代わりに選んだのは、父親の台本の最後のページに貼り付けてあった自分が幼い頃に父に肩車をしてもらった写真からヒントを得た方法。役者も現場スタッフも裏方スタッフも総出でラスト・シーンを撮り切る。

急遽、代役でメイクさんの役になって出演した妻といい、この映画は、「監督」の家族の絆映画でもあったという裏話。。。

後半のタネ明かしver.はテンポもあったし、前半で見た映画の変なシーンや変なセリフの意味が分かって、納得できたり、笑えたり。ここがヒットの秘密なんだなと思う。

前半は伏線、ネタ振り一本槍、後半は回収一本槍という、ある意味、とてもスッキリとした映画(笑)

だから、前半のネタ振りで提示されるあまりに酷いB級感に拒絶反応が強く出ちゃうと、後半の回収までにシラけちゃう人もいるかもなぁとは思ったけど。

私は劇中劇の2人の主演俳優の大根ぶりが演出によるものとはいえ、ちょっと耐えられないレベルに感じたので、諸手を挙げて大喝采というほどでは無かったけど、それでもこれはアイデア勝ちの映画だと思った。

脇を固める大人の役者さんたちは、しっかり、笑いも変なテンポも上手く活かしてるけど、劇中劇の主演はあれはわざとああいう演技なんだよね?あれが普通なのか?と、そこばかり気になって(汗)、その辺がなんだかスッキリしないだけ。

ゾンビ映画に材を取ったコメディなので、少しわざとらしいくらいの演技で良いとは思うけど。

まぁ、この映画は、俳優さんの力量にまで切り込む必要もなく、あぁ面白かったと笑って帰路につく映画ということでいっか~。

家族の物語と言えば、その絆がズシンと胸に来る「クワイエット・プレイス」を観た後にこの映画を観たのが良くなかったかな(汗)逆なら、もっと違う感想だったかも。。。

まだまだ、絶賛公開中なので、季節の変わり目の鬱陶しさを吹き飛ばしに劇場へ。天気がハッキリしないのは関東だけか(笑)

最後に、主演男優&女優役の役どころ、「売れてるアイドル役者は大根で、そんな大根役者ほど態度がデカい!」って、普通に誰もが思いこんでるまんまの設定に笑う…誰か、モデルでもいるんだろうか(笑)