今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

独ソ戦


なんだか知らないけれど、Twitterで話題になった本書。第二次大戦については、毎年夏になるとテレビで特集が組まれたりして、日本の様々なエピソードは知る機会があるが、日本以外となると、当時の首長たちの名前と簡単な人物像しか知らない。


そこで、手にとってみた。


独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」大木毅 著(岩波新書 赤版)


以下、感想。。。















戦争について書かれた本に面白かったという感想は不謹慎だよなぁと思いつつ、著者の大木氏の文章のテンポのおかげか、ドイツとソビエトという大国が数で戦う戦闘を繰り広げる状況がスラスラと読めた。


教科書とテレビの特集でしか知らない、大戦の一面。日本とは違う時間軸でドイツの大戦は展開していた。日独伊が共に戦ったわけではなく、それぞれの国の立場を守ろうとした結果の共闘だったことが分かる。


作中に日本やイタリアはほとんど登場しない。ドイツが覇権を握り、勢力図を塗り替えていたヨーロッパにおいて、極東への入口がソビエト。いかにソビエトを攻略し、我が物にするか、そこにドイツに敗れた国々が巻き込まれ、ドイツと戦う英米ソビエトの後援をし、泥沼の状況に堕ちていく。


戦略を練り、総力を結集した作戦の遂行。その片側で展開されたドイツとソビエトの目を覆いたくなるような残酷非道な行い。


それらが、どこかにポイントを置くのでなく、時系列に沿って書かれている。本書の終章の締めの言葉として著者自身が残しているように、本書は大戦の勃発を語るに欠くことのできない「独ソ戦」を知るとっかかりになれば…と。まさにそれだ!


これはお勧めの書籍だ。