最近は自前の新選組本ばかりを読んでましたが、やはり刊行からそれほど時間の経ってない書籍は値段もかなりお高い(汗)。たとえ中古でも(涙)。
そこで、再び図書館にお世話になりました。
「新選組グラフィティ 1834-1868 幕末を駆け抜けた近藤勇と仲間たち」堀口茉純 著(実業之日本社)
以下、感想。。。
新選組の隊服と同じ鮮やかや浅黄色が目につく本書。内容は新選組初心者にも分かりやすくまとめられているので大助かり。
評論でもないし、史談でもない。若者向け史書と言っても良いのではないかしら。イラストも多く、分かりにくい部分もざっくりとまとめてくれているので、世間の動きと新選組のそれとがどう連動してるのかも分かる。
最初にこの本に出会っていれば…と。各章の間には、「尊皇攘夷とは…」とか「浪士組とは…」とか「会津藩とは…」とか、幕末の世間の動きや中心的な藩などについて見開き2ページでざっくり説明してくれていて、大いに助かる。
同じ見開き2ページの形で週刊誌のような体裁にして、「池田屋事件」や「山南切腹」などの新選組内部での事件が事実を元にした妄想全開でこちらもざっくりとまとめられている。
とにかく、読みやすいし、親しみやすい。とかく難しくなりがちな歴史の流れを要点をしっかり押さえながら、ざっくりとまとめた点が親しみ易さのポイントになっている。そう、この「ざっくり」が大事!
著者も本書の「はじめに」と「おわりに」で述べているが、歴史は勝者の視点で描かれるので、旧幕府軍に最後まで殉じた新選組は敵役だ。しかし、公平に真の姿を評価されるべきという著者の思いは本書に十分に詰まっていると思う。
もちろん、良いとこだけじゃなく、粛清を重ねたちょっと怖い部分も…全て公平に。
そういう意味で、本書は取っ掛かりになる良い本だと思う。