今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

死刑にいたる病


このタイトル。死刑にいたる「病」って何?って思います。でも、確かに阿部サダヲ演じる男に縁すると、というか、狙いをつけられると死刑に進む道を選んでいくんです。だから「病」なんじゃないかと。


阿部サダヲ(役名、覚えてない…汗)はなんと24人もの人を殺害した連続猟奇殺人鬼。彼にはこだわりがあって、ある意味、殺人に対して自分なりの様式美を持っている。


だから、殺害対象は決まっている。その対象足り得る少年少女に出会うと彼らの生活を徹底的に調べ、偶然を装い顔見知りになっていく。そして、痛みと恐怖を与えて死に至らしめる。昼間何食わぬ顔で営んでいるパン屋を隠れ蓑に自宅横の燻製部屋で彼らを処理する。最後は骨を砕き、自宅前の庭に植えた木に撒く。


ここまでは冒頭シーン。この殺戮シーンはほぼ目を閉じてました(汗)。だって、観られないし、変に瞼に焼き付いたら、明日からの私の生活に支障が出るじゃん!


怖い映画は苦手なんです。それなのにわざわざ観に行ったのは、阿部サダヲさん主演だから。この秋に阿部サダヲさんの主演映画が公開されます。「アイ・アム まきもと」。これは「おみおくりの作法」という確かイギリス映画の日本版リメイクです。推しが出てる映画でもない洋画を劇場で複数回観ることは滅多に無いんだけど、あんまり良くて2回観に行っちゃったくらいの映画です。


この日本版リメイクに松下洸平くんが出演するのです。そしたら、まず阿部サダヲという人はどんな芝居をする人か観ておきたいじゃない?なにしろ、阿部サダヲさんの映像作品を見たのは愛菜ちゃん&福くんの「マル・マル・モリ・モリ!」以来なんですから。


で、その阿部サダヲさん。表情1つ変えず、怖い事をやっちゃいます。フレンドリーな表の顔で、接する人々を安心させ、スッと相手の心に入り込むのです。スイッチ入ると尋常じゃないのだけど、彼のスイッチは感情的にコントロール不能になった結果として入るのではなく、全て計算通りなんです。


怖いです。一種のマインド・コントロールですね。その洗脳に囚われ、人生をダメにしてしまってる人もいるのです。


実際に命を奪われた24人以外にも、心や人生を奪われた人はたくさんいるんじゃないかと。


現に拘置所に収監中の阿部サダヲさんから手紙をもらった主人公は、中学時代、塾に行く前に阿部サダヲのパン屋に立ち寄り、軽く食事をしていたのです。その縁で、呼び出されるままに小菅に会いに行ってしまう…


もうここから彼は阿部サダヲのコントロール下に入ってしまいます。自分で選んでるつもりでも、自分で考えてるつもりでも、違うんです。


全てはコントロールされている。それはラストで分かります。ここで終わりと思ったところから更に先があったので、あれ?と思ったら、主人公にとって最大最悪のタネ明かしがラストにね…


2時間。疲れました。