今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

眼の壁

松本清張没後何年かの節目の年なのだろうか?地上波もBSもCSも松本清張原作の映画やドラマが数多く放送されている。


旧作が多いが、WOWOWでは小泉孝太郎主演で「眼の壁」を全5話で放送。週末の雨の1日を使って、一気に見た。


なかなか複雑なお話の流れ。しかし、何だろう、このイライラは…(汗)。


正直に言うと、小泉孝太郎がホントにイライラさせる。妙な正義感に突き動かされて、単なる素人サラリーマンが危ない世界にアプローチする。


ドラマだから、小泉孝太郎は死なない。しかし、彼の行動が結局、真実を暴くように見えて、様々隠されてきたものをさらけ出し、挙げ句命を落とす人が出てくる。


彼が何もしなければ、ただスルーされてた出来事もあったのに…


こういう真面目で堅物、一見暗そうな青年を演じたら、小泉孝太郎はなかなかの名優だ。しかし、いつもこんな感じだ。私の見てない役で明るい好青年もやってるのだろうが、やはり、完成度の高いWOWOWドラマで主演となれば注目度も違うし、注目度の高い作品で似たような印象を与える役はマイナスなのかもしれない。


目に映るものは全てが見えているか分からない…という結論で締める。目が実は壁になっていることもあると…


松本清張は難しいよね。私も何冊か読んだけど、小説というよりドラマのプロットのような文章で…彼の作品が映像化されるのは、そうしたことも影響してるのか。


サスペンスを書く上で、様々調べる能力に長けている松本清張。その力量をもって、邪馬台国を論じたりするのは小説家というより学者に近いのかもしれない。


もう少しお話にテンポをもたせて、端折るとこは端折って展開したら、むしろ、ドラマより映画の方が向いてたんじゃないかと思った。これだけ、ドラマでしっかり見ちゃうと今更小説を読む気にはならないが…