今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

またまた、初の出会い…

映画になったと聞いて注目!だけど、映画は観る機会もなく…

その日のまえに重松清著(文春文庫)

重松清さんって今や超がつくほどの売れっ子作家さん。ところが、私は一度も読んだことがなく…f(^^;
映画化されてる作品も他にあるよね?
実は重松清さんも恩田陸さんと同じようにヤングアダルトと言われる分類が主流なのかと思ってた…
絵本や初期の児童書じゃないんだから、対象年齢分けすること自体、作家さんに失礼だよね\(__)

最近、児童書というか、ヤングアダルト分類のお話を書いていた作家さんが、一般小説を書いて評価されてるって、新聞で読んだ。
『バッテリー』のあさのあつこさんや森絵都さんもそうらしい。後、陸上の話を書いた佐藤さん(タイトルも著者名もあんまり興味が無いから、全部中途半端。。。)

その反面、敬遠されがちだったいわゆる名作本が出版社の努力で再び盛り返してもいるらしい。表紙や装丁を変えて、新しい読者層に訴えた結果だと、これも新聞で読んだ。『人間失格』とかね…時代は動いてるんだねぇ〜(^^;)))

では、感想を。。。












その日のまえに』を中心に据えた短編集。『その日…』の登場人物に関わっていく人たちのそれぞれにも短編が用意されている。

あの人はここで再び登場するのかぁ〜って思いながら、読む。う〜ん。こういう連作短編って、今はやり?こういうパターンって最近、よく出会う。でも、こんな偶然な繋がりって、一回だけならともかく、何人も繋がっちゃうと嘘くさくなぁ〜い?

私って素直じゃないから、そう思っちゃうのかなぁ(((^^;)

でもねぇ…嘘くさく感じちゃうと、「小説だからねぇ」と自分に言い聞かせながら読んでいかなきゃいけないので、苦痛になる。逆に嘘くさくてもなんでも、そんな無理矢理な偶然の設定を飲み込めちゃう作品もあるよね。その差は何だろう。

お話はすべての短編に共通して、人の「死」が関係してくる。
家族がすでに死んでしまった人、友人の死を経験した人、そして自分自身が命の期限を切られてしまった人。すべての作品が読んでいて、映像的…読みながら、ドラマのシーンを見てるよう。
私はこの年になるまで、身近な人の死を経験したっていうのはおじいちゃんとおばあちゃんだけ。小説にあるような状況になったことがない。年の近い友人たちもピンピンしてるし、身近な存在でってなると、想像もできない。

だから、感覚的に遠いというか…ほんとにドラマでも見てるみたいな感覚。
ちょうど、土曜の晩に『告知せず』を見たからかなぁ。自分の人生の残り時間をどう生きるかとの選択より、その残り時間を本人に伝えるかどうかの選択の方に気持ちが動いた。

今の時代、残り時間の告知は当たり前のことなのかな。告知しないと適切な治療ができないって、ドラマの中でタッキーが言ってた。私は嫌だなぁ。みんなに嘘をつきとおしてもらいたいなぁ。

だから、読後…こんな人もいるんだろうなぁ〜って思っただけだった。