今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

未来を生きる君たちへ


9月1日映画サービスデー!!


ってことで、アカデミー賞ゴールデングローブ賞外国語映画賞をW受賞した「未来を生きる君たちへ」を鑑賞!!


良い作品だと思ったけど、いかんせん地味だ。


物語は2人の少年の出会いから始まる。


1人はガキ大将に目の敵にされ、いじめを受ける日常を送る。


もう1人は、母親の死をきっかけに同じ学校に転校してくる。


いじめの首謀者に暴力で対抗することで、いじめを撃退した2人は急速に近づいていく…


しかし、暴力に暴力で対抗することは恨みを生むだけで、何も生まない…


互いの父親が諭すけれど、少年達には受け入れがたい。


少年達の日常と並行し、カメラはいじめに合っていた少年の父親の「非日常」の世界を映し出す。


彼は定期的にアフリカの難民キャンプを訪れる医師。


キャンプには様々な人が暮らし、数々の問題が起こる。


その中で医師達の乗るトラックを追いかける子供達の笑顔が救いだ。


そして、彼ら医師の元に瀕死の重症を負った女性が運ばれてくる。


妊婦の彼女は腹を割かれ、応急の処置はするものの長くはないことが分かる。


彼女は「ビッグマン」という悪党の産まれてくる子供は男か女かという賭けの対象にされ、腹を割かれ、赤ん坊を取り出されてしまう…


目を背けたくなるような「暴力」が蔓延る社会。


医師である父親は、自分の無力に打ちのめされる。


ある時、キャンプに当のビッグマンが怪我をして運ばれてくる。医師として、患者を選ぶことは出来ない。通常の治療を施す医師達だが、難民達の気持ちはおさまらない…


「暴力」に「暴力」で対抗してはいけないと息子達に語った父親は、最終的に難民達の手にビッグマンを委ね、彼らの「暴力」によって制裁を受ける状況をただ黙って見つめる…


医師としての正義、人間としての正義…


帰国した彼は息子が大怪我をした病院にかけつける。


息子達は、他社への暴力で全てを解決してきた男に仕返しとして、「暴力」の行使をする。


しかし、その「暴力」で自らが傷つくことになった。


その後、彼の怪我の回復と共に、2つの家族もそれぞれ抱えていた問題の解決へと進み始める。


とにかく、淡々と語られる日常の風景が多少辛いとこだなぁ。実際、寝ちゃってる人がいたし…


内容も「暴力」についての捉え方を淡々と訴え、更に理想と現実との狭間で悩む姿もしっかり追い、現代の生きにくさも描かれていた。


上映時間も長いし、内容的にもヘビーだし…


全く救いようが無いというわけではないけど、覚悟して観てくださいって感じ。


シビアな内容だったけど、深い深いお話だった。