確か…アメリカで「ジュノ」が大きな話題を呼んだ時、「口コミ」というものの凄さが改めて語られたけど、韓国でも同様の現象が引き起こされたのだという。
その「口コミ」で一気に大ヒットした映画が「サニー」!!
主人公達は、おそらく私と同世代…
当時の洋楽のヒット曲は日本も韓国もあまり変わらないのね♪
懐かしさを感じながら、映画を観た。
高校時代…仲間との友情は永遠だと思っていた主人公…
ところが、高校卒業後、それぞれの進路や家庭の事情で、永遠だったはずのグループ「サニー」はどこか遠い記憶の中に消えていった。
入院中の母親を見舞った病院で、激しい痛みに耐えられず、ベッドの上でのたうち回る女性を偶然見かける主人公…
ふと、病室の入口のネームプレートに目をやると、そこには「サニー」のリーダーの名前が…
彼女が末期ガンに冒され、余命幾ばくもないと知った主人公…
死に逝く者の頼みとして、かつての仲間たちを探してほしいと懇願される。
奇しくも、夫は長期出張になり、彼女の願いを叶えるための時間がたっぷり出来る。
さらに、理解ある夫は、残された時間がわずかな友人のために使えと、多くの小遣いを彼女に託す。
興信所に依頼しながら、かつての仲間たちを1人1人探し出しては、会いに行き、リーダーの病状を伝える。
それぞれが会わなかった長い時の中で、大きく人生を変えていた…
でも、最期の時のために、みな必死で立ち上がる。
リーダーはそんな仲間たちに支えられて、去っていく…
離れていた時間をあっという間に飛び越えて、再び手を取り合う彼女たち…
死に逝く準備を万全に整えたリーダーは、彼女たちに大きなプレゼントを残していく。
話が出来すぎとか、そんなケチなこと言わせないだけの力強さが、この映画にはあった。
金持ちだろうが、貧乏だろうが、みなそれぞれに悩みがあって、なんとか「悩み」の壁を打ち破りたいと思っても、日々の生活の慌ただしさの中に自分自身が埋没してしまい、気がつくと身動きのとれない自分の姿と心をそこに見てしまう…
彼女たちのそれぞれ立場が痛いほど分かる。
同じような日々を送って、現在の自分がある…だから、笑える場面も泣ける場面も本当に心に響く。
サービスデーだというのに場内が半分も埋まっていなかったのが、残念。
共感を呼ぶ世代は多いはず…
さらに感心したのは、韓国女優陣の層の厚さ!!
高校時代を演じる子役(子役とは言えないかな…)、40代を演じる女優たち…
主役だけでなく、7人全てが、つまりは14人全てが、存在感を発揮していて、驚いた…
韓国作品をまだまだ知らない私には初めて見る女優さんもいたけれど、みんな上手い!!
当然、子役たちも凄い!!
韓国映画界、恐るべし!!
高校時代と現在を行き来する映像にも違和感がなく、7人のそれぞれのエピソードも取りこぼすことなく、上手くまとまっていて、ちょっとお得感満載な映画だった。
仲間たちを探す途中…主人公は自分の初恋の思い出にもようやくケリをつける。その様子も差し挟まれて…
なんともほろ苦い青春の1ページ…
若い人より、ある程度、子育てが一段落ついた人達に是非観てほしいと思う映画だ。
私的には、今年に入って、劇場で観た37本の映画の中でベスト3に入る!!