新聞広告でよく目にする「貫井徳郎」という名前…
今回も広告の紹介に「おぉ〜」って(゜o゜;)
というわけで…
以下、感想
「○○な人」ってタイトルにあんまり良い記憶がない…
どんな微笑む人のお話なのか、新聞広告の文言の内容をすっかり忘れて読み始めた。
主人公は、小説家。
世間を騒がせている殺人犯の背景を彼なりの視点で掘り下げようと、関係各所に取材を始めた彼の一人語り…
物語の中で、主人公は取材して知り得た内容を本にする事を目指している。
殺人犯本人はもとより、犯人を知り得た人々を素人探偵さながらに捜し当て、殺人犯の「人間」をあぶり出していく。
ほんの些細な偶然の積み重ねで、川で溺れた母子が誤って事故死したわけでなく、一緒に現場に居た夫であり、父親である男に殺害されたことが判明する。
有名大学を優秀な成績で卒業し、誰もが知っている大手都市銀行に勤めるその男は、警察で驚くような証言をする。
妻子を殺害したことを認め、その動機を語った彼は、その動機があまりに常軌を逸しているために、猟奇殺人犯と見なされる。
マスコミの取材合戦が続き、彼は一躍、時の人となる。
その常軌を逸した動機とは…
そのあまりに尋常ならざる動機の存在が小説家を事件解明の取材に駆り立て、犯人を知る人々が日頃の犯人の姿からは殺人事件など考えられないと声を発し始める…
そして、小説家は殺人犯のまわりで発生した「死」に行き着く。
殺人犯のまわりでは、事故として処理された「死」がいくつも起きていた。
それは、妻子殺害の動機を真の動機として認め得るなら、それらの「死」は事故ではなく、犯人が他に手を下した殺人事件と考えられることに気づく小説家。
この辺りの小説家の取材行程を小説家の語りとして読ませるあたり、なかなか面白い。
視点がちょっと違うので、話としてはありがちでも一気に読めちゃう(^_^)v
話はありがちだけど、妻子殺害の動機はちょっとあり得ないし、それをポイントにお話が組み立てられてるのには目からウロコ(^_^;
だって、本の置き場所が無くなったから、妻子を殺害するって…