今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

キャパの十字架


「凍」を読んで以来、ファンになった沢木耕太郎さんの著作…


ファンになったと言ってるが、だからと言って、他の本を読んでいるワケでもない(^_^;


「キャパの十字架」沢木耕太郎(文藝春秋)


以下、感想…



















キャパの作品とキャパ兄弟の記録展示である「キャパ展」を旅行先の沖縄で偶然見かけたのは、長男が1歳になったばかりの5月のことだった。


沖縄旅行の最終日、国際通りに買い物に出た私達は、改装になったばかりの沖縄三越がそのオープン記念として開催した「キャパ展」の看板を偶然見つけた。


「キリング・フィールド」とか「地雷を踏んだら、さようなら」などの映画を通して、戦場カメラマンの「仕事」に触れてはいたが、私達には全く理解できない世界に、仕事としてだけでなく、そこに彼らなりの使命感も携えて出向いていくことの不思議。


偶然ではあるけれど、そこで彼らの思いに触れることが出来るかもしれないと、買い物も後回しにして会場に入った。


そこでも確かに見たと思う「崩れ落ちる兵士」…


あのキャパの代名詞とも言える写真に「疑惑」があることを知ったのは、この本作の新聞広告を見た時だ。


沢木さんのことだから、自分が納得行くまで調べなければ、本にはしないだろう。徹底した沢木さんの調査を受けて、それでも疑惑が残ると結論づけたのだろう。


だからこそ、読む気になった。


たった1枚の写真にここまで思い入れる沢木耕太郎という人は、なんだかものすごいロマンチストなんではないだろうか(^-^;)


いつの間にか、私も沢木さんと一緒に真実を探しているかのような錯覚に陥ってしまう(^_^;


キャパの写真や活動について、一切をマネージメントするマグナムは、沢木さんの説を認めてはいないらしいが、戦地で亡くなった後も、たった1枚の写真を巡り、様々な説が飛び交うキャパというカメラマンの魅力は計り知れない。


恵比寿の東京都写真美術館に行かれることがあったら、美術館の壁に大きく引き伸ばされたキャパの写真が展示してあるので、是非ともご覧になってください。


立ち尽くします!!